「東京建築祭」18の名建築を無料で特別公開! 東京駅や三越日本橋本店などの普段は見られないエリアも開放。実行委員長・倉方俊輔さんが見どころ語る
今年、2024年5月、東京の日本橋、丸の内、銀座エリアを中心に、「東京建築祭」なるイベントが開催されることをご存知でしょうか。建築の祭りと聞いてすぐにイメージが湧かない方も多いのではないかと思いますが、その実態は普段関係者しか中に入れない建築を一般公開し、自由に見学ができるようにするというもの。過去にSUUMOジャーナルでも取り上げた、京都・神戸の「モダン建築祭」や約10年の歴史がある大阪の「生きた建築ミュージアムフェスティバル」で行われてきた建築公開イベントが、5月25日・26日を中心に待望の東京初開催となります。 どのような建築が公開されるのか、そしてイベントの見どころを、実行委員長の倉方俊輔さんにお聞きしてきました!
建築空間に身を置く、だけでいい!?
東京建築祭では専門家や建物の運営に携わる”中の人”による有料ガイドツアーも用意されていますが、注目したいのが東京を代表する18の建築が無料で特別公開されるプログラム。
知る人ぞ知る名建築や、東京駅や三越日本橋本店といった誰もが知る建築の、普段は見ることのできない姿を見ることができます。この期間だけの特別公開、どうせなら目一杯楽しみたいですよね。倉方さんに、建築を見学する際に注目すべきポイントをお聞きしました。
三越日本橋本店では、ふんだんに装飾が施された「三越劇場」が公開される。
「特別な知識や経験は必要ありません。とにかくその空間に身を置いて、自分がどう感じるか、それが第一です。歴史や設計者の意図を知りたければ、本を読めば済むわけですから」 なんと、大学で建築史を教えている建築史家とは思えない意外な答え。でもそれくらいの気持ちで臨んで良いのであれば、無料かつ事前の申し込みも不要なイベントでもありますし買い物のついでに少し寄ってみようかなと気楽に参加できそうです。 「好奇心を働かせて、隅々まで観察したり、なぜそのようなデザインになっているのか、自分なりに考えてみたり。優れた建築の優れた空間で、ゆったり時を過ごしてみる、そんな楽しみ方もおすすめです。建築祭で特別公開となる建築も、エントランスホールなど普段から一般に開かれた建築の通常非公開部分が公開されるものも含まれています。これをきっかけに、東京のお気に入りスポットを見つけてみる、そんな機会としても活用してほしいです」 倉方さんがその代表的な例として推すのが築地本願寺。かまぼこ型の屋根が特徴的な寺院建築ですが、本堂には普段から自由に出入りできること、ご存知でしたか? 宗教建築ということもあり、足を踏み入れることに抵抗があるという方もいらっしゃるかもしれません。これを機会に訪れてみて、その不思議な魅力に触れてみてはいかがでしょうか。東京建築祭では通常非公開の貴賓室や講堂、本堂裏の廊下が公開されます。