川崎Fの中村憲剛が就任した「FRO」って何?
元日の天皇杯決勝を最後に、川崎フロンターレひと筋で18年間プレーしてきたプロ人生にピリオドを打った中村憲剛さん(40)が、新設された『FRO(フロンターレ・リレーションズ・オーガナイザー)』に就任。愛情と情熱のすべてを捧げてきた川崎の一員として、今後も活動していくことが決まった。 オンライン形式で23日に開催された、2021年新体制発表記者会見で明らかにされたもので、スーツにネクタイ姿で登場した中村さん自らが「僕の新しい役割、肩書きは『川崎フロンターレ・リレーションズ・オーガナイザー』です」とファン・サポーターへ向けて発表した。 会見終了後にクラブから配信されたリリースには、中村さんとの契約内容として「川崎フロンターレのアカデミー、普及・育成部門での活動を中心にしながら、さまざまな活動に携わる予定です」と説明されている。中村さんの第二の人生を気にしていたファン・サポーターにとってはこの上ない朗報となったが、具体的に何をしていくのかがちょっと曖昧な上に素朴な疑問も残る。 フロンターレ・リレーションズ・オーガナイザーの英字体『Frontale Relations Organizer』を構成する、3つ単語の頭文字を取った役職『FRO』はいったい何を意味するのか。中村さんは『FRO』ありきの造語だったと、会見のなかでちょっぴり照れくさそうに明かしている。 「フロンターレ(Frontale)から語呂的に『FRO』と略すことを先に決めて、それから『R』と『O』をどのようにするのか、何があるのかなと当て込んでいきました」 あれこれと思いを巡らせる上でのポイントはふたつ。まずは他のクラブでよく用いられるアンバサダーなど、既存の言葉は使わないと個人的に決めた。次にホームの等々力陸上競技場での試合開催時などにさまざまな創意工夫を凝らす、遊び心に満ちたクラブ側が喜ぶ呼称と合致させることだ。 例えば『FRO』への就任でも、川崎は巨大な契約書を用意して中村さんを驚かせている。クラブカラーのひとつであるサックスブルーのペンキに、靴と靴下を脱いだ中村さんが利き足の右足を浸し、捺印やサインの代わりに足型を押して契約を結んだ。中村さんが苦笑しながら続ける。 「ありきたりと言うとちょっとあれですけど、普通の肩書きは嫌だな、というのが自分のなかにありました。いままで聞いたことのないような、何だかよくわからないものがよかったし、クラブ側もちょっと文字ってほしい、と思うところが、たぶんあったはずなので。これは使えないなど、いろいろな案があったなかで、クラブの方からもOKが出るんじゃないか、と」