A4ヨコ・地形図1枚でハイキング! 湘南「二宮」で意外すぎる “名前の由来” & “袖ヶ浦” 発見! 3時間散策「現地レポ」
神奈川・湘南の地「二宮」の小旅行を提案する。JR東海道本線二宮駅を起点かつ終点とする3時間程度のハイキングと発見の旅だ。国道1号線も通っているのでアクセスしやすいだろう。 ■【画像】歩いてみないと分からない! 数時間の散策で得た数々の発見! アウトドアの楽しみ方の一大ジャンル「地図読み」の入門にもよさそう(写真をすべて見る) 旅のお供におすすめするのが、国土地理院の「地理院地図」だ。見知らぬ土地を歩くとき、この地形図で自分の現在地を把握すれば、目的地へのルートも見つけやすく、土地の起伏も判り、不安を減じてくれる友にもなる。 今回は、最初の目的地「吾妻山(あずまやま)公園」をほぼ中央にして、旅の全範囲がA4横サイズ1枚に収まった地理院地図を手に歩くとしよう。
■駅前からハイク開始! 吾妻山公園の入口はすぐそこ!
二宮駅のホームから北側を見ると、最初の探訪地、吾妻山公園が視界に入る。山頂の標高は約136m。駅前にある小学校裏の坂を上っていくと右手に二宮町役場があり、吾妻山公園の入口の階段が見えてくる。 公園内は舗装された歩道が多くて歩きやすい。至るところにベンチが置かれ、花壇があり、樹木には名札が付いている。植物を愛でながら歩くにつれて癒やされていく。 高みを目指して、さらに歩を進める。「展望台」「芝生広場」の標示のある方向へ歩いて行くと、吾妻山の頂上に到着した。大パノラマである。展望台からは、北に丹沢、西に箱根や富士山が望め、南には青々とした相模湾が広がる。晴れた暖かい日には、ランチやおやつを楽しむのにも最高の場所だ。 さて、展望台の近くに三等三角点(緯度や経度の基準となる点)があるのだが、その向かいに史跡がある。明治政府内務省による測量成果、「測点」の標石が埋まっているのだ。劣化防止のために土を被せてあり、実際に見ることはできないが、近代日本の技術力を示すひとつの業績だ。詳しくは現地の看板を見てほしい。
■「だから二宮なんだ! なるほど、そういうことか!!」
吾妻山山頂から次の目的地「川勾(かわわ)神社」を目指してみよう。ここで携行をおすすめした国土地理院の「地理院地図」が役立つ。展望台脇の三角点は地図を正しい向きにするのに最適だ。相模湾も見えているから、地図の向きを容易に合わせることができる。 川勾神社に行くに際し、筆者がチェックポイントにしたのは以下の3か所だ。 1. 吾妻山公園の北西にある小学校 2. その小学校の西側の道路が北に延びてトンネルになっている箇所(釜野トンネル/筆者はトンネルの真上の徒歩道を経て、トンネル南側に下りた) 3. 地図に記載されている「釜野」の箇所 地形図を使うコツは、自分が現在居る場所を地図上に見つけ、自分の居場所を指で押さえながら歩くこと。歩きつつ「ここで、右から合流する道に出合うはずだ……」と予想するようになってくればいい感じだ。筆者は、神社近くでグレーの一本線が表す「幅員3m未満の道路」を選んで、川勾神社の鳥居前に至った。 境内にある掲載物で知ったのだが、川勾神社は実は、「二宮」という地名の起源なのだ。同じ相模国にある寒川神社と一之宮の座を争った結果、寒川神社が相模国の一之宮となり、二之宮となったのが川勾神社であったという。なるほど、「二宮」とはそういうことだったのか。 佇まいが田園地帯の静けさと相まって落ち着いた雰囲気である。一方、神社の東隣には、陽光を浴びるオリーブ畑があり、ちょっと珍しい空間構成となっている。