武居由樹がV2戦に向け公開練習 「自分らしく戦う。バチッと倒したい」
◆プロボクシング ▽WBA、WBC、IBF、WBO世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)統一戦12回戦 統一王者・井上尚弥―サム・グッドマン▽WBO世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・武居由樹―ユッタポン・トンデイ(12月24日、東京・有明アリーナ) WBO世界バンタム級王者・武居由樹(大橋)が5日、横浜市の所属ジムで、WBO世界10位ユッタポン・トンデイ(タイ)戦に向けた練習を公開した。 この日はシャドーボクシング2ラウンドの後、元世界3階級制覇王者の八重樫東トレーナーが両手で振るスティックに対応して、体さばきやステップワーク、ディフェンスに磨きをかけた。「9月の試合が終わってすぐに練習を再開した。試合まで3週間を切って、ここまでは順調に来られた。自分らしく戦うのがテーマで、スパーリングも狙いどおりにできている。万全の状態で臨みたい」と意欲を示した。 今回は2度目の防衛戦で、スーパーバンタム級の世界4団体統一王者・井上尚弥(大橋)―サム・グッドマン(オーストラリア)戦とともに12月24日、東京・有明アリーナで行われる。ユッタポンは2020年8月のプロデビュー以来、15連勝中。身長160センチのオーソドックス・スタイルで、世界ランキングはほかにWBAで11位に入っている。アマ時代に国際大会優勝経験があり、2大会連続オリンピック金メダリストで元WBO世界フェザー級王者(現WBO世界1位の)ロベイシ・ラミレス(キューバ)に勝利している実績がある強豪だ。 八重樫トレーナーは「今年は世界王者になって防衛して。どっちも厳しい試合だったが、きつい試合はいい経験になる。それを生かしてほしい。タイの選手の中でもやりづらい印象で、右のカウンターとかがうまくて油断できない。武居のパワー、破壊力が出る試合になればいい」と分析する。元K―1世界王者の武居はキックボクシング時代にタイの選手と3試合で対戦。いずれも判定勝ちだった。「独特のリズムに合わせて、ずるずると判定になってしまった。その経験を生かして、自分のリズムで戦おうと思う」という。 武居は5月、東京ドームでWBO世界バンタム級王者ジェーソン・モロニー(オーストラリア)に判定勝ち。世界初挑戦で王座を奪取し、ボクシング転向9戦目で無敗のまま世界の頂点に立った。9月には元WBC世界フライ級王者・比嘉大吾(志成)の挑戦を判定で退け、初防衛に成功したが、いずれも判定勝ちに一番納得していないのが武居本人だ。 「ここ2戦、強い選手とやって成長できたと思うし、成長ができたのでそれをぶつけたい。ただ、判定勝ちという決着には納得していない。ここはバチッと倒して勝ちたい」と武居。大橋秀行会長は「2試合は内容のある戦い方で成長を感じる。来年には戦うべき相手がいるので、ここは負けられない」と、名前こそ出さなかったものの、同じキックボクシング出身のWBOアジアパシフィック・バンタム級王者・那須川天心(帝拳)との対戦には負けられない一戦となることを明言した。武居は「転向した理由の一つは那須川選手と戦いたい」と話しているが、那須川は「もう少し待って」と慎重な姿勢を見せる。武居は「振られてしまった」と苦笑い。「ベルトを守り続けて待っているのはいいけど、お前も(世界ベルトを)一本もってこいという気持ち」と笑いながらも意地を見せた。大橋会長が「もうちょっと待ってと言っているので…。待つよね?」と向けると、武居は「はい」と答えていた。 戦績は31歳の井上が28戦全勝(25KO)、26歳のグッドマンが19戦全勝(8KO)、28歳の武居が10戦全勝(8KO)、31歳のユッタポンは15戦全勝(9KO)。 試合はLeminoで無料生配信される。
報知新聞社