日本の管理職は「多忙すぎる雑用係」 昇進するほど市場価値が低下するジレンマ
ビジネス書を中心に1冊10分で読める本の要約をお届けしているサービス「flier(フライヤー)」(https://www.flierinc.com/)。こちらで紹介している本の中から、特にワンランク上のビジネスパーソンを目指す方に読んでほしい一冊を、CEOの大賀康史がチョイスします。 「管理職の罰ゲーム化」が加速する日本の職場...その原因とは? 今回、紹介するのは『罰ゲーム化する管理職 バグだらけの職場の修正法』(小林祐児、集英社インターナショナル)。この本がビジネスパーソンにとってどう重要なのか。何を学ぶべきなのか。詳細に解説する。
年々難しくなる管理職の仕事
本書のタイトルとなっている『罰ゲーム化する管理職』という言葉はインパクトがあるものの、まったく違和感がありません。今、多くの企業の管理職が、自身に求められることの多さとその見返りの少なさに戸惑っているように思います。 特に管理職になり始めのときに、今までとの仕事のギャップに苦労します。マネジャーや課長の仕事は多岐にわたり、その全てを完璧にこなす人はごく一部、いえ、ほぼいないと言えるでしょう。 なぜこんなにも管理職は大変になったのでしょうか。この数十年の間に起った様々な変化を思い出してみましょう。 本書によると、管理職の仕事を難しくした要素として、経済の長期停滞、人手不足、コーポレート・ガバナンス重視、組織のフラット化、ダイバーシティ重視、ハラスメント対策強化、労働時間管理圧力、テレワーク、などが取り上げられています。 もちろんどれも大切なことではあります。ただ、これらへの対処にそれぞれ少しずつ負担がかかることから、結果として管理職にしわ寄せが相当きているようです。 最近出版されるビジネス書の中でも特に、組織運営や人材育成に関わる本は存在感を示しています。本に救いを求める人が増えるほどに、現代の管理職は過去と比べて難易度が上がったようでもあります。では、罰ゲームとも感じられる管理職とはどんなものか、本書の内容に触れていきたいと思います。