年金世帯への支援「年金生活者支援給付金」で10月分の年金から上乗せになるかも?シニア世代の年金事情と資産形成を考える
2019年10月1日より「年金生活者支援給付金制度」がスタートしました。 公的年金等の所得が一定基準以下の方に対して、生活支援を目的として給付金が支給されます。 ◆【写真5枚】高齢者世帯の生活「大変苦しい」や「やや苦しい」の割合をグラフで見る。「厚生年金と国民年金」平均月額はいくら? 対象者には9月から順次請求書が発送されるため、届いた際には申請が必要です。 ファイナンシャルアドバイザーとして従事している筆者も仕事柄、年金生活者の方ともお話しをしますが、長引く物価高で家計に影響が出ている方が多いと感じます。 年金は退職後の貴重な収入源ですが、時代とともに年金だけでの生活は苦しくなっています。 「年金生活者支援給付金」も支援策の一つですが、年金生活者の金銭事情はどのようなものなのでしょう。 そこで今回は、年金生活者のリアルな金銭事情と「年金生活者支援給付金」についても考察を行います。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
高齢者世帯の半数以上が「生活が苦しい」と回答
厚生労働省の2023年時点の生活意識の調査によると、高齢者世帯の半数以上が生活が「大変苦しい」もしくは「やや苦しい」と答えています。 ●全世帯の結果 ・大変苦しい:26.5%(前回20.2%) ・やや苦しい:33.1%(前回31.0%) ・普通:35.8%(前回42.1%) ・ややゆとりがある:3.9%(前回5.5%) ・大変ゆとりがある:0.7%(前回1.1%) ●うち児童のいる世帯の結果 ・大変苦しい:28.5%(前回22.9%) ・やや苦しい:36.5%(前回31.7%) ・普通:31.5%(前回39.0%) ・ややゆとりがある:3.1%(前回5.4%) ・大変ゆとりがある:0.4%(前回0.9%) ●高齢者世帯の結果 ・大変苦しい:26.4%(前回18.1%) ・やや苦しい:32.6%(前回30.2%) ・普通:36.7%(前回45.1%) ・ややゆとりがある:3.9%(前回2.5%) ・大変ゆとりがある:0.4%(前回0.8%) 年金生活者にとって、食品やエネルギー価格の上昇が家計に大きな負担となっていることが想定されます。 また老後は主な収入が年金に限られる世帯も多く、医療や介護費用の増加も懸念材料となるでしょう。 では、そんな老後の収入の柱となる年金ですが、現代のシニアはいくらほどの年金を受給しているのでしょうか。次章で見てみましょう。