レーザテク新社長、2ケタ成長継続に意欲-半導体市場上回る伸び
(ブルームバーグ): 7月に就任した半導体検査装置メーカー、レーザーテックの仙洞田哲也社長は同社の今後の売上高について、半導体市場を上回る2桁以上の成長ペースを持続させることに意欲を見せた。
仙洞田氏は横浜市の本社での9日のインタビューで、この3年で一気に会社が成長した中で「それを止めないことが自分の使命だと思っている」とコメント。今後の成長ペースについて、ここ数年続けた2桁の伸びを念頭に「そういう成長をしていければ」と述べた。
レーザーテックは極端紫外線(EUV)光源を使って微細な電子回路が描かれているガラス板である「マスク」の欠陥を検査する技術に強みを持ち、同分野ではシェア100%を握る。同社によると、半導体の微細化を進める台湾積体電路製造(TSMC)や米インテル、韓国サムスン電子に製品を供給し、2023年6月期の売上高に占める3社分の比率は8割弱に上った。
レーザーテックは半導体ブームの追い風を受けて同社の売上高は前期は40%増、その前の期は69%増と急拡大してきた。半導体関連銘柄への市場の期待もやや落ち着いてきた中、47歳の新社長の舵取りが注目される。世界半導体市場統計によると33年に向けての半導体市場の年平均成長率は6.5%と予測されており、24年は16%成長が見込まれている。
今後の成長をけん引するのは生成人工知能(AI)だ。データを高速処理する広帯域メモリー(HBM)を生産する際に使う測定装置の引き合いが「かなり強くなってきている」だけでなく、AI半導体に使われる最先端半導体向け検査装置も「非常にポジティブな状況」だという。前期(24年6月期)の受注残高は売上高2135億円の約2.2倍となる4621億円で、需要に供給が追いつかない状況が続く。
レーザーテックのEUV向け検査装置の導入はTSMCやサムスンが海外で先行しており、今後は次世代半導体の量産を目指すラピダスや米マイクロンが国内での導入も予定する。仙洞田氏は自社製品についても「引き合いは当然いただいている。入れていただけるものだと期待している」と述べた。