小ボディに大エンジン:オースチン・ヒーレー3000 過去と現代が融合:トライアンフTR5 直6の英国車たち(3)
3000とTR5 2台のスペック
■オースチン・ヒーレー3000 BJ7(1962~1963年/英国仕様) 英国価格:1190ポンド(新車時)/6万ポンド(約1170万円/現在)以下 生産数:6113台(BJ7のみ) 全長:3988mm 全幅:1524mm 全高:1168mm 最高速度:188km/h 0-97km/h加速:11.0秒 燃費:6.7km/L CO2排出量:-g/km 車両重量:1118kg パワートレイン:直列6気筒2912cc 自然吸気OHV 使用燃料:ガソリン 最高出力:131ps/4750rpm 最大トルク:23.0kg-m/2700rpm ギアボックス:4速マニュアル(後輪駆動) ■トライアンフTR5(1967~1968年/英国仕様) 価格:985ポンド(新車時)/6万ポンド(約1170万円/現在)以下 生産数:2947台 全長:3902mm 全幅:1470mm 全高:1170mm 最高速度:193km/h 0-97km/h加速:8.8秒 燃費:8.5km/L CO2排出量:- 乾燥重量:1030kg パワートレイン:直列6気筒2498cc 自然吸気OHV 使用燃料:ガソリン 最高出力:152ps/5500rpm 最大トルク:22.6kg-m/3500rpm ギアボックス:4速マニュアル(後輪駆動)
英国製ベスト直6はジャガーXKユニット
優れたエンジンとは、何を指すのか。先進的な技術なら、アルミ製ブロックやオーバーヘッドカムなどを採用する、ACエースのユニットが当てはまる。だが、基本は1919年まで遡る。同時に、製造コストは高かった。 身近な高性能を指すなら、シンプルなオースチン・ヒーレーやトライアンフのユニットが当てはまる。量産サルーン用の技術をベースにチューニングされ、優れた耐久性を備える。しかし、最高の運転体験を与えるわけではない。 魅力度ならブリストル。405には小さすぎるとしても、快音を響かせ滑らか。排気量を考えればパワーも不足ない。とはいえ、より高域へ回るユニットが当時は既に存在した。革命的なものではなかった。 アストン マーティンの直6も素晴らしい。スペック的に訴求力が高く、見た目も美しい。優雅なボディとも調和している。ただし、少量生産の高級品だった。 ジャガーのXKユニットは、これらの特長を備えながら、扱いやすく高価過ぎなかった。1948年時点で最先端の設計にあり、ジャガーMk1からXJに至るサルーンまで、数多くのモデルへ採用されてきた。 排気音は素晴らしく、トルクフル。高域まで引っ張っれば、多くのドライバーを満たしてくれる。 コストを無視するなら、タデック・マレックの名機を選びたい。ブリストルも傑作ユニットだ。それでも、歴史的な功績と遺産的な価値、実際の体験を加味し、ジャガーXKユニットが英国製ベスト直6であることに、疑う余地はないだろう。
チャーリー・カルダーウッド(執筆) マックス・エドレストン(撮影) ジャック・ハリソン(撮影) 中嶋健治(翻訳)