大神いずみ「野球選手の家族として、怪我と病気が一番怖い。丈夫な体を作る食事を作り、1日でも多く野球のできる体でいてほしい」
◆「はい大丈夫!気のせい気のせい」 長男・翔大はちょうど中1の今の時期に、初めて深刻な怪我を診断された。腰の分離症…の疑い、というものだった。 分離症になる選手は少なからずいるものだが、完治するものではないし、まだ予備軍なので、選手を続けていく上で筋トレなどしてカバーしながらうまく付き合っていくしかないという診断だった。3ヵ月の絶対安静が必要と言われた。 我が家には少々の怪我や問題に見舞われたところで、小2の頃から現在に至るまで野球に携わってきたその道の「経験者」が家にそびえ立っている。 大概のことは「あーあー、それね。その程度でガタガタ言ってんじゃないよ」と一蹴されてしまう。もちろん夫も分離症は学生の頃に経験済みだが、当時は病院に行くこともなく「そんなもんだ」と思って練習を休むことはなかったようだ。 うちの息子たちは2人とも、小さな蚊に刺されたような傷でも命の危機レベルに大騒ぎするし、手のマメが潰れてもバンドエイドを貼って包帯を巻こうとする。 母としてはいつの頃からか、 「はい大丈夫!気のせい気のせい」 と最初から大ごとに捉えないよう振る舞うようになってしまった。
◆我が家にはデデン、とあの父が 大抵の怪我はそうやって冷静に受け止めていたのに、長男の中1の時のこの腰の怪我はさすがに先が心配で、本当はゆっくり休ませてやりたいと思っていた。でも本人は腰の痛みより野球から離れる痛みの方が辛そうで、顔を歪めて悔しがっていた。そして、 我が家にはデデン、とあの父がそびえ立っている。 小学校の時から体が大きくなるにつれ、力が付いてくると打球が遠く飛ぶようになるものだ。 俄然野球が楽しくなり、中学、高校、その先の世界に憧れてどんどん練習などの強度が増していく。その中で、まわりからのプレッシャーや期待度に見合う活躍をしなければと、無理をしだす子も多い。 翔大も中1の夏、念願の世界大会出場後に「さあ!これからさらに上級生の中でやっていかねば!」と張り切っていた矢先、グングン大きくなる自分の体と骨格のバランスが崩れて腰に負担がかかり「カリッ」と音がし始めたのが、ちょうどこの11月すぎごろだったのだ。 あらためて現在中1の次男を落ち着いて見ると、小学校高学年から中学の3年間くらいは、心と体が劇的に変わっていた。本当に複雑で敏感な時期なんだなぁ、と感じる。 中1から中2、中3の3学年はそれぞれ「人間の進化の図」のように、体格がはっきりと違っていくのがわかる。これだけ外見の大きさが変わっていく3年間に、筋肉や骨格、内臓、そして心の中まで全部同じように揃って成長していけるものだろうか…バランスの崩れもあって、怪我も多くなってしまうのかもしれない。
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