アルピナ製BMW5シリーズ全7世代をテスト!5シリーズはアルピナブランドの心臓であり魂だ
アルピナクラシックは会社の歴史に敬意を表する
こうして、最後の純正「アルピナ5シリーズ」も、二次市場のコレクターズアイテムとなった。それは、先代モデルと同じ運命である。しかし、買収後もアルピナ社は繁栄し続けるだろうから、この運命は必ずしも悪い意味ではない。社名はBMWに移るかもしれないが、アルピナクラシックは、その地位にふさわしい方法で、つまりアルピナを常に包んできた同じ企業精神で、自らの歴史を大切にしていくだろう。そして、創業者であるブルカルト ボーフェンジーペンの精神に従って。
結論
ニュークラスからすべてが始まったとはいえ、「5シリーズ」はアルピナブランドの心臓であり、魂だ。これほど直感的に優れたパワーグライダーの哲学を体現したモデルシリーズは他にない。
大林晃平: 手元に一冊の古いムック本がある。約40年前、昭和59年2月発行の『モーターファン別冊 BMWアルピナのすべて』という雑誌で、今でも綿々と続く「すべて……」シリーズには、かつてこんな本もあったという証拠の一冊である。 徳大寺有恒先生によるアルピナB9セダンやB9クーペの試乗記や、但馬 治カメラマンの美麗写真もさることながら、興味深いのは誌面で紹介されているアルピナに乗っている方々のページである。 まず目を引くのは作詞家の松本 隆さんで、高級そうな革のジャケットとロングマフラーで写っている先生の後ろに止まっているのはブラックメタリックのB7ターボ。もちろん5シリーズベースのB7は「アルピナストライプは、あえてはがしてもらった」そうで、「トルクの波でサーフィンするような」という形容詞がさすが松本先生である。
当時の松本 隆さんは松田聖子や寺尾 聡といったほんの一例のほかに、もうありとあらゆるメガヒット連発の絶頂期だったはずなので、おそらくこのB7ターボなどはお小遣いで買えたのだと思うが、この時期、松本先生のアルピナの助手席に乗せてもらった松任谷正隆さんによれば、「(腕もないのに)信濃町のソニースタジオのあった細い路地で全開しやがって、死ぬかと思ったし、もう二度と乗るもんか」と感想を述べていた。 松本先生のコメントも、「勝負を挑まれることもあるけれど、一瞬で勝負がついちゃう」とかなりアグレッシブなものなので、実際かなり当時は飛ばしていたのであろう(その頃、松本 隆さんは、バイクで事故を起こし骨折もしていたので、かなりやんちゃな一面をお持ちの方と推測される)。 さて同誌の中でもう一つ目を引くのが「オーナーズ座談会」というページで、ここにはアルピナを愛する3人のオーナーが登場し、アルピナ愛を語っている企画なのだが、医師、会社役員にならんで、なんと若き日の佐々木弥市氏が「ブティック店長」という肩書で登場している。
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