「月の大気」の約7割は流星の衝突に由来すると解明
■他の天体のサンプル分析にも応用される研究
今回の研究結果は、月の土壌が何十億年にも渡るゆっくりとした変化を受けていたことを検証することができます。薄い大気の生成という極めて遅いプロセスを直接観測することはできませんが、結果として残る土壌の元素の同位体比率は、宇宙の真空に “野ざらし” にされた天体表面の変化を知るよい手掛かりとなります。 Nie氏らは、火星の衛星のフォボスのような、月と似たような環境条件にあり、将来的にサンプルリターンが計画されている天体についても、今回の研究手法を応用することで、何十億年もかかるゆっくりとした変化を知ることができると考えています。 Source Nicole X. Nie, et al. “Lunar soil record of atmosphere loss over eons”. (Science Advances) Jennifer Chu. “Scientists pin down the origins of the moon’s tenuous atmosphere”. (Massachusetts Institute of Technology)
彩恵りり / sorae編集部