【行正り香さんにきく〝50代。これからの住まい〟に思うこと〟⑦】行正り香さんが思う「住まいづくりで、最初に考えておくべきこと」
また、電気系統のスイッチやコードの配線も、気になる方は初めに考えたほうがよいでしょう。私は部屋のあちらこちらにスイッチがあるのが嫌だったので、インターホンとともに目立たない位置で1カ所にまとめてしまいました。 スイッチは使う場所に近いほうが暮らしやすいという方もいらっしゃると思います。ただ、私の場合は、スイッチの壁が見える場所は限られているほうが居心地よく過ごせます。後から変えるのが難しい部分なので、私のように気になる方は、ぜひ初めにシミュレーションして考えてみてください。 とはいえ、十分に逆算して準備したつもりでも、うまくいかないことが私にもあります。間接照明などの電気器具を置きたい場所に置けるように、コンセントの配置をよく考えたつもりでしたが、結局ほとんど使わないコンセントがあって…。
使わないコンセントが見えるのがどうしても気になってしまい、実はサイドテーブルを置いてごまかしている場所があったりします。ごまかしきれているか、微妙なんですが(笑)。
お気に入りのCDはキッチンの棚にしまっています。 一人でいるときも、家族や友人と過ごすときも、その場に合う音楽が流れていると居心地のよさがアップする気がします」
部屋づくりにコスト管理は欠かせません
「こうした、後から絶対に変えられない部分を決めたら、次に考えたいのは照明や絨毯。どちらも部屋の雰囲気を左右する大事な家具です。 我が家の照明はルイスポールセンのペンダントライトなどを採用しています。シャンデリアも素敵ですが、借景である東京の風景にはモダンな照明が合うと考えたからです。 フローリングの床も人気ですが、私はカーペットの優しい足あたりが好きです。それから、色、柄、大きさのバリエーションが豊富なペルシャ絨毯も大好き。カーペットもペルシャ絨毯も面積が大きいので、じっくりと選びました。
カーペットは壁と同じように、部屋全体の土台として選び、ペルシャ絨毯はコーナーを分けるイメージで、それぞれ敷いています。 リフォームなどの部屋づくりは、正直言って物件価値にはあまり関係ないので、コスト管理は欠かせません。でも、終の棲家(ついのすみか)にしたいとか、これからの自分にもっとふさわしい部屋にしたいといった思いをかなえることも大切ですよね。 年齢を重ねた今、住まいを改めて整える前に、後から変えると大きなコストがかかってしまう部分を初めにしっかり考えてから、取りかかっていただきたいと思います」