読書感想文、図鑑はダメ? 子どもの〝嘆き〟に「私だけでも応援」 専門家が提案する〝ひと工夫〟
夏休みも終わり、子どもたちが出し終えた宿題の一つに読書感想文があった家庭も多いのではないでしょうか。「図鑑で感想文を書いてはいけない理由がわからない」――。伊丹市昆虫館の学芸員・長島聖大さんが先月末、そんな思いをSNSに吐露しました。読書感想文には、どのような図書が適しているのでしょうか。専門家にも聞きました。(withnews編集部・金澤ひかり) 【画像】古生物が現代にいたら…日常に配置してみた 工夫こらした図鑑
夏休み終わりに「図鑑はダメと言われた」
伊丹市昆虫館の学芸員・長島聖大さんが、8月下旬にXへ投稿したのはこのような思いでした。 <夏休みが終わると、「図鑑について読書感想文を書いたのに学校で図鑑はダメと言われた」という嘆きの連絡をもらうことが多い。毎年、一緒に嘆いて怒ってあげることしか出来ないのだけど、図鑑で感想文を書いてはいけない理由がわからない。実は図鑑は読み応え抜群な文章が詰まってるのよ。――長島さんのXアカウントより> 長島さんによると、夏休みには毎年、小学生の自由研究などで昆虫の質問や相談を受けることがあるといいます。 そのやりとりの際、「夏休みが終わってから、読書感想文で昆虫図鑑について書いた(書こうとした)けれど、学校でダメと言われた」と嘆く子どもたちが一定数いるのだといいます。 「私には読書感想文の制度を変えたり、担任の先生の方針を変えたりする力はありません。それでも、その嘆く方に共感することはできます。一緒になって嘆き、怒ってあげることと、誰がなんと言おうと私だけでも評価して応援してあげたい気持ちは伝えるようにしています」 長島さんの著書には、『日本原色カメムシ図鑑 第3巻』 (全国農村教育協会)、 『学研の図鑑LIVE 昆虫 新版』(Gakken)などがあり、学芸員でもあり、図鑑を作る人でもあります。 「図鑑をみなさんに読んでほしいし、感想文を書いて読ませてもらったら泣いて喜びます。そんな個人的な欲求もあるので、図鑑の感想文は良いと言う立場からは離れることができません」