悪夢逆転負け…阪神”守護神”藤川球児は配置転換すべきか?
矢野監督は、守護神をかばった。 「本当に悔しいですし、あのまま勝ちたかったのですが、勝負にいったので仕方ないです。僕がそのように(藤川ストッパー)して使っているので僕の責任だと思います」 藤川は本調子ではない。 6月25日のヤクルト戦では、西浦に逆転サヨナラ本塁打を浴び、27日の横浜DeNA戦でも満塁のピンチを招いた。2点差で登場した9日の巨人戦でも1点を失い、クビをかしげながら勝利の儀式に加わっている。ここまで5試合の登板で3人で終わったという試合は一度もないのだ。ストレートに本来のホップするような威力はなく、ストレートがそれだから自慢のフォークも鋭く落ちず、打者も誘いに乗ってくれない。 2回に4番の大山が二塁打で出塁し、続くボーアが横浜DeNAの左腕エース、今永の失投したカットボールを見逃さず、左中間スタンドに先制2ランを放った。大山とボーアのクリーンナップに怖さが生まれ、頼れる得点源が完成したが、阪神自慢の勝利方程式の最後を締める藤川が崩壊してしまっては勝ち星の計算が立たなくなる。 矢野監督も藤川が本調子でないことを感じとっているようだが、登板回数を増やす中で調子を上げていけばいいと考えての起用で、今後の配置転換について明言はしなかったという。 阪神OBでもある評論家の池田親興氏は、藤川の不調をこう見ている。 「ボールが走っていない。キャンプの段階からボールにうまく力が伝わっておらず”重い”という印象を受けていたが、今もそのまま。年齢からくるものなのか、調整不足からくるものなのかわからないが、おそらく藤川自身が調子が上がってこないことを感じ取っているのだろう。だから、よりいいボールを投げようと力み、いつものような下半身の動きを作ることができず、コントロールを乱すという悪循環に陥っている。原因を究明して、それが調整不足にあるのならば、そういう時間を与える必要があるのではないか」 藤川は7月21日で40歳になる。加えて新型コロナの影響で調整は難しかった。様々な要因が重なっているのだろう。