SUPER GT第8戦プレビュー 最終決戦”ではない”もてぎ 例年と異なる攻防戦が展開されるか!?
11月を迎えてすぐの連休中に開催されるSUPER GT第8戦もてぎ。第7戦オートポリスからわずか2週間という短いインターバルで迎える戦いは、例年とは異なるシチュエーションが用意される。というのも、今回のもてぎは最終戦ではなく、シーズン”7戦目”となるからだ。チャンピオン争い中のチームにとっては、シリーズタイトル獲得の可能性を左右する重要な局面となるだけに、絶対”落とせない”一戦。秋も深まるなか、もてぎを制するために各チームは果たしてどんな戦略をもって挑むのか。
・第8戦でも”ウェイトあり”
コロナ禍でのシーズンを除くと、近年、モビリティリゾートもてぎで開催されるSUPER GTの一戦は、最終戦として行なわれてきた。だが、今シーズンは第5戦鈴鹿が台風10号の影響を受けて延期され、12月開催に。結果、もてぎは第8戦ながら”最終戦”鈴鹿大会を意識しての戦いを繰り広げることとなる。
これによって、出走する各車も例年とは異なるコンディションで戦いに臨む。SUPER GTでは、レースで獲得したシリーズ得点の累積に合わせてサクセスウェイトを搭載するというルールがある。開幕戦と最終戦はウェイトを積載せずに戦うが、7戦目はまだ獲得した累計ポイントを1kgに換算してウェイトを積まなければならない。つまり、もてぎは第8戦ながら”ウェイトあり”の戦いになる。
例年、ノーウェイトでの戦いを繰り広げてきただけに、ウェイトを積むクルマをどうセットアップするか。エンジニアにとっては新たな課題をもって臨む一戦と言えよう。しかも、季節的に気温がぐっと下がる頃。もてぎ戦の天候も当然気がかりではあるが、天候次第で気温はもとより路面温度に大きな変化をもたらす可能性も高い。残念ながら、ここのところSUPER GTの開催は雨の影響が続き、レースウィーク中のドライコンディションのデータも思うように収集できていない。なにしろ、前回のオートポリスは濃霧や突然の豪雨など不安定な天候に見舞われ、予選と決勝を一日で行なう”ワンデーレース”開催となった。前日に降り続いた雨で、予選はまだ路面が乾ききっていない”ダンプコンディション”のコースで30分間の計時方式で行なわれている。つまり、シーズン途中に改定された新たなルール下で、ニュータイヤ装着はいまだ試すことができていない。結果として、各チームともより一層不確定要素が増えるなかでアプローチすることになりそうだ。