「不安が大きくなる人」「ならない人」の根本的な差 転がせば転がすほど、悩みは重く大きくなる
1つや2つの不安ならまだ辛抱できるかもしれませんが、心配性の人というのは一事が万事です。 ついには、日常の些細なことにまで不安を感じて、やらなければならない仕事が手につかなかったり、人の目ばかりを気にしたり。余計な不安を抱えず、ただ前を向いて生きる。それだけのことができなくなってしまうのです。 では、どうしたら不安を転がさないでいられるのでしょう。 それは「今、この瞬間」を生きることに尽きます。
不安の出どころについて考えてみてください。不安とは、今よりも少し先の未来を思い煩うから生じるもの。現実には何も困ったことは起きていないのに、「ああなったらどうしよう、こうなったらどうしよう」と余計な気を回すから不安になるのです。 人間の頭は「今、この瞬間」のことだけを考えて生きるには、少し賢すぎるのだと思います。しかし、そこで生じる不安は、言うなれば、妄想、思い込み、取り越し苦労の類で、実体がありません。
私は過去に『心配事の9割は起こらない』というタイトルの本を執筆しましたが、人生とは思いのほか「なんとかなる、どうにかなる」もの。そうした不安が的中することはほとんどないのです。 それならば、「今、この瞬間」をひたすらに生きることです。何が起こるかわからない未来のことは横において、今この瞬間、自分がいるその場所で、できることを精一杯やるのです。 「残り1割の心配事が的中したらどうするんだ」ーーそう言いたくなる方もいるかもしれませんが、大丈夫です。いざその時がきたら「今、この瞬間」に集中できるに決まっているからです。
例えば、家が火事になった。燃え上がる炎を前にしたら、必死で逃げるか、消火活動をするか、いずれにしても「今、この瞬間」のことで頭が一杯になり、不安など感じる暇はありません。 そして、そんなときにこそ人間はものすごい力を発揮するもの。火事場の馬鹿力とは、「今、この瞬間」を全力で生きる人間の「なんとかする」力のことをいうのでしょう。 では、どうしたら、不安を転がさずに生きることができるのか。どうしたら、「今、この瞬間」を生きられるのか。