ある日突然夫から「離婚したい」と切り出された女性…キッカケはありがちな「余計な一言」だった
余計な一言
第14回で「食洗機離婚」の事例をご紹介しましたが、あのケースも本来「いちいち言う必要がない」のです。 一緒に暮らしていれば、夫が夜早く就寝することも、そのときに食洗機を使っていると「うるさい」と思われることも、言われなくたってわかるはずなんです。 「食洗機離婚」の相談者女性には、そういう「気づき」が足りずに、不用意な言動で相手を怒らせてしまうところがあり、結果的に夫婦関係がこじれてしまったのです。 「食洗機離婚」の妻から、LINEの添削依頼を受けたことがあります。 子どもが病院に行くことになり、夫にその旨を伝えたいと、次の文面が送られてきました。 「子どもが○日に病院に行くことになりました。あなたが付き添いますか、それとも私が行きましょうか」 まさに「余計な一言」の典型ではないでしょうか。 夫のほうはやり手の経営者で、非常に細かい性格だと書きました。子育てにも細かく指示を出すタイプです。だから子どもが病院に行くというときに、絶対に「自分が付き添う」と言うに決まっているのです。
「カチンとくる」メッセージ
私ですらそれがわかりますので、妻がわからないはずがありません。なのに、わざわざ「あなたが付き添いますか」と聞けば、「行くに決まってるだろう、だれが行かないって言ったんだよ」なんて嫌味ったらしく感じて、カチンときてしまうのです。 この場合、夫が付き添うことは「大前提」と考え、いつどこに行けばいいか、持っていくものなど、必要な点だけ伝えればいいのです。 聞かなくてもいいことをわざわざ聞いたのは、後で責められたくないからだと思います。 「多分聞かなくても大丈夫だけど、怒られたくないから、念のため聞いておこう」 と思ったのでしょう。 でも、「怒られたくない」は妻の都合に過ぎません。「余計な一言」をつけ加えたのは、相手への思いやりではなく、自分のエゴによるものです。 夫に配慮するなら、できるだけ簡潔なメッセージにしたほうがいいのです。この夫は有能な経営者で、昼間はいつも分刻みのスケジュールをこなしていますから。 でも「余計な一言」をつけ加えたことで、「カチンとくる」メッセージになってしまいました。「わざわざ聞いてくるのは、俺に付き添ってほしくないから」など、勘ぐらせてしまいます。 こういう「余計な一言」がこの夫婦の関係をちょっとずつ悪化させていたわけです。 『「服がダサい」「ダメ亭主」「役立たず」…妻からの日常的な中傷やマウントに耐え続けた夫がある日突然起こした「大爆発」』へ続く
岡野 あつこ(夫婦問題研究家・パートナーシップアドバイザー)