洗足学園小学校・前校長 なぜ<全員中学受験が前提>のハイレベル小学校に大躍進できたのか?児童の学力向上につながった「小学校による受験サポート」とは
◆卒業生の親が経験を伝える座談会は、学校の意思表示になった 毎年4月末に、直前に卒業した児童の保護者数名を招き、事前に集めた質問に答える形で体験を語っていただきます。参加するのは4年生以上の保護者。毎年200名以上の在校生保護者が参加し、熱心に話を聞きます。 卒業生保護者の話は多岐にわたります。通塾を始めた時期、塾選びの際に気をつけたこと、転塾のこと、学校の宿題との両立、過去問に取り組み始めた時期、健康管理、入試当日の話などさまざまです。 そして、保護者によって取り組みもそれぞれです。一から十まで管理した方もいれば、子どもの自主性にまかせた方、両親で役割分担をした方もいます。 私のほうは、話のどこかがこれから受験する保護者の参考になればよいと考えていましたから、制限することなく自由に話をしていただきました。 同じ小学校で、同じ教材を使い、同じような先生たちから学び、同じような中学校を目指しているわけですから、経験者の話はとても参考になると思います。 1時間半ほどの会ですが、終わった後には個別に質問する方もいますし、「大変参考になった」「みんなが受験する環境でよかった」などの感想をアンケートに書かれている方も多くいらっしゃいました。 この卒業生保護者の座談会が、学校が中学受験を前面に出して本気で取り組む、つまり洗足学園小学校では中学受験があたりまえであることの意思表示になったように思います。 ※本稿は、『心を育てる中学受験-全員が中学受験する洗足学園小学校が大切にしていること』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。
吉田英也
【関連記事】
- 超進学校、渋幕・渋渋の田村哲夫学園長が新入生に最初に伝授する「ノートとのつきあい方」とは?
- 超進学校「渋幕」創設者「人工知能を過剰に恐れる必要はない。使う人間が歴史に学んで、生きている過去を活かすことこそ、AI時代を生きる世代の役割である」
- 金八先生以後に生じた「学校=悪という構図」「学校が良いサービスを提供して当たり前という考え方」…工藤勇一校長が指摘する<近年の教育現場が抱える問題点>とは
- 工藤勇一校長が<服装の制約>と<宿題>を廃止した深い理由とは…「宿題がないと勉強しない」と話す保護者に僕が伝えたいこと
- 共学トップの超進学校、渋幕・渋渋の田村哲夫学園長はなぜ「新しい学校」を作ってきたのか?約半世紀続けるリベラル・アーツ教育