「良い商品」だけでは「届かない」。中川政七商店のマーケターが語る「ブランディングに大切な視点」
┌────────── 自分視点でものづくりを行った後に、商品を市場に出してユーザーに共感してもらうときには『ユーザー視点』を大事にしています。中川政七商店は自分視点とユーザー視点のバランスを大事にしているんです(中田氏) └──────────
挑戦・学習し続けることの落とし穴
■ [ルール4] 一生謙虚、一生挑戦、一生学習 実は、1社目での新規事業の撤退という経験によって、中田氏はひとつの財産を手に入れていた。本を読むことが習慣になったのだ。今も業務の過程で本を読むことは多い。とりかかる仕事の途中でふと引っかかりを感じ、読みかけの本を読み返す。そして他の本で書かれていたこととの関連や自分の考えなどを白い紙に書き出す。そして業務に活かしていくのだという。そんな読書を愛する中田氏に大きな影響を与えたのが『ふつう』(深澤直人 |d BOOKS)という本だ。
┌────────── プロダクトデザイナーの深澤さんは、ちょっといい『ふつう』を作りたいと語っています。ちょっといい『ふつう』を生み出すと、やがてそれが普通になります。普通になったら、またちょっといい『ふつう』をつくる。つまり、何か特別なものを作るのではなく、日常におけるちょっといいものを繰り返し作ることを大切にしていると話しています(中田氏) └──────────
このように本を通じた学習で知見を深め、転職の度に商品企画、デジタルマーケティング、ブランディングと新たな仕事への挑戦を続けてきた中田氏。まさにRPGの主人公のようにさまざまな武器を手に入れて、新たな冒険を繰り返してきた。そんな中田氏は「一生謙虚、一生挑戦、一生学習」を心がけたいと語る。1社目のAOKIホールディングスで心構えとして学んだこの言葉は、当時はピンとこなかったが挑戦や学習を繰り返す中で腹落ちしたのだという。 ┌────────── 挑戦と学習を繰り返していくと『自分はできる』と勘違いしやすいです。でも、勘違いが始まると挑戦をやめたり、学習しなくなったりする。挑戦と学習の支えとなる謙虚さを大事にすることで、学習と挑戦を続けられるのだと思っています(中田氏) └────────── 挑戦と学習を重ねてスキルが高まっても謙虚さを失わない。心がけていたとしても、それはとても難しいことのように思える。謙虚さを失わないためのポイントは何だろうか。
┌────────── 一定のところまで深掘りしたら、学習や挑戦のジャンルをどんどん変えていくようにしています。絶えず新しいことをしていると『自分よりできる人がたくさんいるので、頑張らないと!』と謙虚な気持ちを持ち続けられます(中田氏) └──────────