新生「ヴァレンティノ」のこぼれ話に、身も心も温まる「アンダーカバー」のホスピタリティー 2025年春夏パリコレ日記Vol.6
そして次は、最近カイリー・ジェンナー(Kylie Jenner)のブランド「KHY」との協業も行ったアントナン・トロン(Antonin Tron)による「アトライン(ATLEIN)」。ドレープやシャーリングを生かしてボディーラインを際立たせたジャージードレスに定評のあるブランドです。官能性漂うエレガンスという印象が強かったのですが、今季はロンドンっぽいアンダーグラウンドなムードやマスキュリンなアウターを取り入れて、力強いイメージを演出。肌の露出が多くボディーコンシャスなスタイルは、なかなか日本では難しそう。ですが、ユーティリティウエアやコンバットブーツなどと合わせてスタイルをアレンジしたり、ややシルエットのバリエーションを広げたりして、型を破ろうとしている姿勢には好感を覚えました。
ちなみにこのショー、なかなか始まらないと思っていたら、カイリー待ちだったそう。ただ、カイリーは会場前まで来たのに、混雑しているからという理由でショーを見ずに帰ったらしいです(爆)。人伝に聞いただけなので真相は不明ですが、“お騒がせセレブ“の考えることは分かりません。
元気いっぱいの83歳が打ち出すヘルシーな肌見せ
村上:私は「ジュンコ シマダ(JUNKO SHIMADA)」のショップへ。島田順子さんにお会いしてきました。今年83歳ですが、相変わらずお元気(笑)。25年春夏のお気に入りは?と聞くと、デニムのように仕上げたデニム素材セットアップ。「白いステッチでカジュアルダウンしたから、元気に着て欲しいの」とおっしゃいます。花柄のブルゾンタイトスカートには、共布のバンドー。80代でバンドゥーを提案するなんて、なんてお若い!
その後は、歩いて「マーガレット・ハウエル(MARGARET HOWELL)」の展示会へ。私が買ったのは、おそらく15年以上前。正直ちょっと黄ばんできちゃったけれど、まだまだ重宝しているピュアホワイトのリネンTシャツなど、提案するアイテムは普遍的ですが(とはいえ、少しリラックスシルエットになったり、袖口の仕様が少し変わったりと時代の合わせてブラッシュアップしているそう)、スタイリストが変わったらしく、スタイルはこれまで以上にコンテンポラリーです。70年代のボンバーブルゾンや90年代のリネンドレスなど、ベースとなるアイテムは超絶タイムレスなんですけれどね。シャツを重ね着したり、セットアップにするかと思いきやボトムスを色も違うショートパンツに変えたり。アイリッシュリネンのジャケットは、カーディガンのように羽織ります。