「命令に背くことはできない」タリバン政権下で“死刑宣告”、弁護士一家 アフガンからの国外脱出【報道特集】
ファティマさんは自ら、潜伏生活の様子を撮影した。車一台分のスペースが子どもたちの唯一の遊び場で、家族が寝食を共にする場所でもあるという。 ファティマさん(音声) 「今日は、昼食に子どもたちが大好きなパスタを作りました。美味しい?」 「子どもたちは寂しすぎて、外出したいと言って泣くことがあります。でも残念ながらこの状況では、友達の家や、公園にも連れていく事は一切出来ません。刑務所にいるのと同じような環境です」 2年以上に及ぶ潜伏生活で、子どもたちを取り巻く環境は悪化の一途を辿っている。 8歳の長男、アブダルくん(仮名)。てんかんの持病があり、度々発作に襲われ、投薬治療が欠かせない。そのため、ファティマさん自身が身の危険を冒し、通院させているのだという。 ■「夫が一家心中を図りました」国外脱出を支援する日本人に届いた悲痛なメッセージ 窮地に陥った一家がたどり着いたのが、日本の支援者だ。 中東やアフリカなど、世界各地で紛争解決に取り組む、認定NPO法人『REALs』の理事長・瀬谷ルミ子さん。 タリバンが実権を掌握した直後から、国外への脱出を求めるアフガニスタン人たちへの支援にあたってきた。 過去に、外交官や国連PKOの職員として、アフガニスタンなどの紛争地で武装解除の任務に携わってきた瀬谷さん。 クラウドファンディングや寄付で支援を募り、この3年で、300人あまりのアフガニスタン人を国外に退避させ、1500人以上に生活支援を行ってきた。 しかしー。 認定NPO法人『REALs』の理事長・瀬谷ルミ子さん 「実は今、アフガニスタンで迫害を受けている人たちを受け入れてくれる国がほとんど無くて。可能性があるとしたら、ドイツとスペイン。今は主にドイツへの退避を集中的に調整しているところです」 国際社会の関心は、ウクライナやパレスチナをめぐる情勢に集まっており、受け入れ先として有力なドイツからの承認もなかなか得られないという。