「大阪生まれの在日コリアン3世」が、韓国留学で気づいた「ソウルと東京」の意外な共通点
在日コリアン3世で元全国紙記者の韓光勲さんは、30歳にして韓国留学を決断しました。韓国籍ではあるものの、「大阪生まれ、大阪育ち」であり、韓国語が苦手。それでも韓国に留学し、在日コリアンという立場からさまざまな発見をします。 【写真】韓国留学のきっかけになった「美少女たち」 そんな彼の発見をギュッとまとめたのが『在日コリアンが韓国に留学したら』(ワニブックス刊)という本。韓さんが留学中おもに過ごしたソウルは、東京や大阪と似ている部分があるものの、細かく見ていくとやはり異なる部分が多いといいます。 その発見について『在日コリアンが韓国に留学したら』から抜粋してご紹介します。
「動く歩道」が止まっている
韓国での留学中、気づいたほんの些細なことを書きとめておきたい。 ソウルは、エスカレーターや「動く歩道」が止まっていることがある。そんな場面にたまに遭遇する。特に、地下鉄の乗り換え時の「動く歩道」はよく止まっていて、普通に歩かないといけない。日本ではなかなか遭遇しないので、初めは面食らったが、途中から慣れて普通に歩いていた。 エスカレーターや「動く歩道」は常にきちんと作動するべきだというのも、日本的な感覚なのかもしれない。日本がきっちりしている方なのだ。韓国にいると、それまで当たり前だと思っていた常識が揺さぶられる。それが新鮮で面白かった。 韓国のバスや電車は日本並みに発達しているうえ、運賃が安い。日本では地下鉄が数分おきに時間通りに来ることが当たり前に思われているが、世界的に見たらそうではない。僕はオランダに住んでいたが、ストライキがあれば止まるし、電車はほとんど時間通りに来ない。日本のように公共交通機関が時間通りにきっちりと運行しているというのは、世界的に見ても珍しいと思う。 韓国は、日本並みに地下鉄やバスがちゃんと運行している。その点、ソウルは日本から来た人にとってはかなり住みやすいと言えるだろう。 些細なことだが、どこにでもウォーターサーバーがあるのも特徴だ。公共施設には必ずある。マイボトルを持っていれば、外出先で水を買う必要はない。便利だ。