サウスポー相川真侑花が最大の武器を伝授! 相手のボディにサービスを食い込ませるには?【プロが明かすテニス上達法】<SMASH>
プロテニス選手は、高度なショットをいとも簡単に叩き込む。なぜあんなボールが打てるのか? その秘訣をプロ本人に明かしてもらうシリーズ。今回は米国を拠点に活動し、サウスポーから繰り出すキレのあるショットで世界と渡り合う相川真侑花選手が登場。相手のボディに食い込ませるサービスを伝授してくれた。 【連続写真】相手のボディに食い込ませる相川真侑花のフラットスライス系サービス『30コマの超分解写真』 * * * この連続写真は、アドサイドでセンターから相手のボディに切れ込んでいくフラットスライス系のサービスだと思います。右利きの相手だと打点を食い込ませることができるので、よく使う武器の1つです。 サービスは、エースを狙ったり、相手の打点をずらしたり、色々混ぜるようにしています。私は左利きで有利ですし、スピードも遅くないと思うので、そのスピードを生かしつつ変化もつけられるように練習してきました。例えば同じセンターに打つのでも、フラット、スピン系、フラットスライスと、複数の球種を使い分けています。 フラットスライスで技術的に意識しているのは、まず足の位置です。常に左足がクローズドになりすぎないように構えています(写真1コマ目)。私は身体が開きやすい癖があり、クローズドだと後ろ足(左足)を前に回してくる時に一緒に身体も開いてしまい、ラケットも外から回ってくる傾向があるんです。少しスクエア気味に構えた方が、上体のひねりや前への体重移動が使えて(4コマ目)、いいサービスが打てます。 それから、トスを上げた右手を長く上にキープして、壁を作ることも意識しています(4コマ目)。右手が早く落ちると打点が低くなり、力を入れにくい所で打つことになります。あまり高く跳べないし、身体も折れてしまいやすい。この写真は身体が少し折れ気味なので、もっと上に伸びていけるといいですね。 それには下半身を使うことも大切です。右足でしっかり蹴ると(5~7コマ目)、上体を残すことができ、ボールにパワーを伝えられます。私は身体が小さいので、そうやって下半身を有効に使えるように今取り組んでいる途中で、かなり身に付いてはきました。 あと心掛けているのは、どのコース、球種でもトスを同じにすることですね。相手に読まれないように、ボール1個分くらいの差にとどめるようにしています。スピン系ならボール1つ低くとか、スライスなら1つ外とかいう感じです。 【プロフィール】相川真侑花/あいかわまゆか 1998年4月2日、神奈川県生まれ。162cm、左利き。全国小学生優勝後アメリカにテニス留学し、全仏Jr複4強などの戦績を残す。プロ転向後も米国を拠点に活動し、2022年にITFツアーで2度優勝。JTAランクを16位まで上げる。サウスポーを生かしたキレのあるショットが武器。テニスユナイテッド所属。 構成●スマッシュ編集部 取材協力●SBCドリームテニスツアー2022 ※『スマッシュ』2023年6月号より再編集