「モヤモヤした思い」を言語化できる人の共通点 言語化するのにセンスや才能は関係ない
「頭のなかのモヤモヤした思いや意見を一瞬で言葉にできるようになりたい」と願っている人も多いことでしょう。本稿は、世界三大広告賞など受賞歴のあるコピーライター・荒木俊哉氏の著書『こうやって頭のなかを言語化する。』から一部抜粋・再構成のうえ、言語化力を身につけるのに必要な力について解説します。 ■言いたいことはあるのに、言葉が出てこない瞬間 あなたには、こんな経験がありませんか? 面接で頭が真っ白になって、完全にフリーズしてしまったこと。夜、ふとんに入った瞬間にその場面を思い出して、なかなか寝つけなかったこと。
会議で急に質問が飛んできて、あせって、考えがまとまらないまま話しはじめてしまったこと。途中から自分でもなにを言っているのかわからなくなり、どうでもいい話をダラダラとしてしまったこと。 パートナーと喧嘩になったとき、自分の気持ちをうまく言葉にできなくて、無言になってしまったこと。「都合が悪くなると、いつも黙るよね」と言われて、さらに落ちこんでしまったこと。 自分の頭のなかのことなのに、なぜか言葉にできない。もどかしい……。私自身、そんな悔しい思いを何度もしてきました。
■言語化力は、だれでも必ず身につけられる「能力」 なぜ、多くの人が、言語化に苦手意識を持っているのでしょうか? その答えはシンプルで、言語化する方法について一度も教わっていないからです。 授業の科目に「国語」はあっても「言語化」はありません。会社でも「社会人マナー」や「ITスキル」の研修はあっても、「言語化」の研修をやっているという話は聞いたことがありません。「こうやって頭のなかを言語化すればいいよ」と教えてくれる先生や先輩も、少なくとも私のまわりにはいませんでした。
私たちは、だれからも言語化力を身につける方法を教わることなく、これまで生きてきたのです。だから、とても苦労する。今、あなたは、そのような状況にいるので、言語化に苦手意識があるのは仕方ありません。 もし、あなたが「言語化のうまい人は、センスや才能があるんでしょ?」「頭の回転が速いんでしょ?」と思っているとしたら、それは誤解です。 言語化力は、だれにでも必ず身につけられる「能力」です。正しい方法を習得すれば、やればやったぶんだけ確実に身につく力といえます。もちろん、あなたも身につけられます。センスや才能は関係ありません。