マルセイユと長友佑都…13年前にあった不思議な縁
仏リーグアンの名門オリンピック・マルセイユへ加入した日本代表DF長友佑都が2日、マルセイユ郊外にあるクラブ施設で、アンドレ・ビラス・ボアス監督らとともに入団会見に臨んだ。 フランスメディアとの質疑応答に対して、2011年1月から7年間在籍したインテル・ミラノ時代に習得したイタリア語で対応した長友は、同時にクラブの公式ウェブサイト上で公開されたインタビューにも登場。先月中旬にオファーを受け、同31日に1年契約を結んだ心境や抱負を日本語で語った。 「もう最高の気分ですね。伝統あるフランスの名門で、世界的にも有名なビッグクラブで、プラス、今シーズンのチャンピオンズリーグにも出場する強いクラブに来られて非常に嬉しく思っています」 日本滞在中に代理人を通じてオファーを受けた長友は、マルセイユに在籍して5シーズン目を迎える日本代表の盟友、DF酒井宏樹へすぐに連絡を入れて情報を収集している。 「町の雰囲気も最高だし、ピッチに入るとみんなプライドをもって戦う、本当に素晴らしいクラブだと宏樹は言っていました。ポジティブなことしか言わなかった宏樹に、僕も背中を押されました」 もっとも、酒井の言葉は最後のひと押しだった。マルセイユの名前を聞いた瞬間に思わず鳥肌が立ったと明かした長友は、他にも届いていたオファーにすべて断りを入れることを決めている。長友が明治大学3年生だった2007年に、実はマルセイユとの間に接点ができていた。 長友もメンバーのなかに名前を連ねていた日本大学選抜が、フランス南部にある地中海に面したマルセイユへ遠征を行った。さらにクラブ施設内の練習場で行われたセカンドチームとのトレーニングマッチで、長友がペナルティーエリアの外から豪快なミドルシュートを突き刺していた。 強烈な印象を残したことで「もしかしたら、契約の話が来るかも」と胸をときめかせた当時の心境を思い出しながら、13年越しでかなったマルセイユ入りに運命を感じていると長友は笑う。 「スタジアムでも実際にマルセイユの試合を観て、こういうクラブでいつかプレーしたい、という大きな夢を抱いていたので、オファーが来たときにはすぐに行きたいと(代理人に)言いました。練習試合で僕がミドルシュートを決めた映像があったら、ぜひとも見てみたいですね」