「糖尿病予備軍」がプロテインを飲むべき理由はご存じですか? 飲む際の注意点も医師が解説!
糖尿病予備軍の人がプロテインと上手に付き合うためには?
編集部: 糖尿病予備軍ではなく、糖尿病と診断された場合でも、プロテインを飲んでもいいのですか? 小暮先生: 糖尿病の合併症として腎症を起こしている人は、腎臓への負担を考えるとプロテインを飲まない方がいいと思います。また、糖尿病の患者さんで、肝機能の数値が悪い人も飲まない方がいいでしょう。 編集部: 糖尿病予備軍の人が、プロテインを飲む際の注意点はありますか? 小暮先生: 筋肉を作るために利用できるタンパク質の量には限界があることを覚えておきましょう。製品によって異なりますが、プロテインの1回量の目安は20~30g前後とされています。多く摂り過ぎても体づくりには活かされず、むしろ肥満につながることすらあります。 編集部: プロテインの摂り過ぎが肥満につながることもあるのですか? 小暮先生: はい。タンパク質のカロリーは、1gあたり4kcalです。体づくりに使われなかったタンパク質は、結局体脂肪として体に蓄えられることになってしまいます。そのため、プロテインをたくさん飲めば飲むほど、太りやすくなることも覚えておきましょう。 編集部: そのほか、糖尿病予備軍の人がプロテインを飲むときの注意点はありますか? 小暮先生: ホエイプロテインを飲むと食後の血糖値が上がりにくくなるのは間違いないのですが、全く上昇しないわけではありません。そのため、血糖値のコントロールがあまり良くない人は、ホエイプロテインの飲み過ぎに注意です。現在、治療や予防のために通院しているのであれば、病院の管理栄養士に相談してみるといいと思います。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 小暮先生: 血糖値を下げるために、筋肉が重要な働きをしているのは事実です。筋肉をつけたり、維持したりするうえで、筋力トレーニングはとても有効です。そのために必要なタンパク質を摂取することももちろん大切ですが、人工の合成タンパク質であるプロテインを大量に飲み過ぎれば健康に被害が生じることもあります。プロテインを飲むときは、あくまでも適量を守ることが大事です。どれくらい飲んでいいのかわからない人は、医師や管理栄養士に相談してみてください。