なぜ那須川天心のRIZINラストマッチが賛否呼ぶ五味隆典とのボクシングルールのエキシビションになったのか…“ムエタイホープ“吉成名高の対戦オファー拒否に榊原CEO激怒
「吉成名高選手に1年前からオファーをしていました。去年の時点で『来年の大晦日までには天心に届きたいよね。階級も含めてチャレンジしたいよね』ということで話を進めていました。6月(東京ドーム大会)もオファーしました。『まだちょっと体格がそこまで出来てないんで大晦日に向けて照準を絞って身体作っています』と吉成選手から返事をもらった。大晦日は吉成選手が準備を整えて出てくるだろうと僕らはずっと思っていた。だから12月5日に彼は試合をして55キロにチャレンジした。でも悩みに悩んで『受けれません』というのが12月10日過ぎ。手のひらの上にのせられたチャンスをつかめなかったらスターになんかなれないと思う。本当に残念だし悔しい」 吉成は、日本人として初めてタイのムエタイ2大殿堂であるラジャダムナン&ルンピニーの統一王者となった超新星だ。RIZINも、そこに目をつけてここまで4大会に出場させ、4連続KOの結果を残している。だが、まだ20歳で元々の階級はフライ級(50.80キロ)。対戦相手がいなかったことも手伝い、徐々に階級を上げ、天心戦を実現するため、この12月5日には55キロで元MAX MUAYTHAI 55キロ王者のクン・ナムイサンと戦い判定勝利している。 しかし、その試合の2日後にRIZINの事務所を訪れて天心戦のオファーを断り、榊原CEOが再考を求めたが、翻意することはなかった。 榊原CEOは「『55キロではパンチはいつものように入ってるのに相手が倒れない。これじゃ天心に勝てません』という風になったんじゃないか」と天心戦を拒否した理由を推測した。 その後、HIROYAの教え子である龍聖にターゲットを変えてオファーしたが、こちらも怪我があり受け入れられることはなかった。 天心は、もう試合をせず挨拶だけでいいという境地にまで傾いたが、榊原CEOは「最後に躍動する姿を見せて欲しい」と説得。天心サイドから「五味選手なら」の名前が出てきたためテレビ収録現場から電話でオファー。五味は戸惑いながらも快諾した。榊原CEOは「五味選手に助けられた」と感謝の意を示し、天心も「オファーを出して断られることに悲しくはなったんですけど」と本音を漏らした。