ドラ1を2人輩出、大学「4冠」の青学大はなぜ強くなったのか 安藤寧則監督が明かすチーム成長の過程
【西川や佐々木をはじめ4年生が貢献】 今季の大学野球を締めくくる明治神宮大会は11月25日、昨季は準優勝だった青山学院大が、初めて決勝に勝ち進んだ創価大を7対3で下して優勝。2008年の東洋大学以来となる史上5校目の大学4冠(春・秋のリーグ、大学選手権大会、明治神宮大会)を成し遂げた。 実力派の野球美女たち。私服・ユニフォーム姿の厳選カット集(19枚) 青学大は左肩脱臼の佐々木泰(ささき・たい/広島1位指名)、右手人差し指骨折の西川史礁(にしかわ・みしょう/ロッテ1位指名)ら4年生の先発出場が見送られた。しかし初回、「相手の出鼻をくじき、『取り返すのが大変だ』と思わせるような得点だったと思う」(安藤寧則監督)という中田達也(3年)の満塁弾が飛び出し、その後も終始試合を優位に進めてタイトルをつかみ取った。 「(昨年の決勝で)慶應義塾大さんに負けたあと、一塁側のベンチで人目をはばからずに涙していた佐々木の姿が印象に残っていて。チーム全員が『絶対に負けたくない』という思いを持って、この1年間やってきました」 就任5年目の安藤寧則(あんどう・やすのり)監督は「本当にいろいろなことを乗り越えてきた」と安堵の表情を浮かべ、「優勝した瞬間はいろいろな場面が頭をよぎりましたが、4年生がいてこそチームが"一枚岩"になれたのではないかと思います」と、ベンチで後輩の成長を見守ることになった4年生たちが果たした役割の大きさに言及した。 4冠の達成、西川と佐々木がNPBのドラフト1位指名を受けるなど、今季も圧倒的な強さを見せつけたが......。華やかに見える栄冠への道のりは決して平坦ではなかった。 春のリーグ戦は8連勝スタートも、日本大に(5月15~17日)連敗して勝ち点を落とすと、中央大との2回戦も敗戦。ただ、勝ったほうがリーグ勝者となる中央大との第3戦では、不振が続いていた佐々木が気を吐いた。 「自分が打てていなくてもチームが勝てている。その状況がとにかくしんどかった。『キャプテンの自分が下を向いてはいけない』という使命感で、前を向いて練習し続けたことが好結果につながりました」 そんな佐々木に3ランが飛び出すと、このリードを守りきった青学大が3対1で勝利した。