ボールが観客直撃、マナー違反にも襲われた松山英樹は65位後退「気持ちが切れました」 競技中に頭抱える
8番パー4で起きていた出来事
日本開催の米男子ゴルフツアー・ZOZOチャンピオンシップ第2日が25日、千葉・アコーディアG習志野CC(7079ヤード、パー70)で開催された。53位から出た松山英樹(LEXUS)は、3バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの71で回って通算2オーバーとし、65位に後退。首位で通算12アンダーのニコラス・エチャバリア(コロンビア)とは14打差で、2021年大会以来3年ぶり2度目の優勝は厳しくなった。らしくないミスが出た場面については、「気持ちが切れました」と吐露。それでも、切り替えて残り2日間を戦い切ると誓った。 【画像】松山英樹の打球が観客に直撃 お詫びとして手渡したサイン入りグローブの写真 8番パー4。松山が放った第1打は、左に曲がってロープ際に座っていた男性の右手首を直撃した。松山は男性に歩み寄って「すみませんでした。大丈夫ですか」と謝罪。男性は笑みを浮かべつつ、「大丈夫です。(ボールを)フェアウェーの方へ跳ね返しておきました」と言い、深いラフを越えてファーストカットに止まったボールの方を指さした。 松山は着けていたグラブにサインをして、男性にお詫びのプレゼント。その場が和み、気を取り直して放った第2打のアドレスに入ったところで、ロープ外から「カシャ」とシャッター音が鳴った。今大会はスマートフォンでの動画撮影は許されているが、撮影は決まった場所以外はNG。しかも、アドレス時は重大なマナー違反だが、松山はそのままスイングした。 高く上がったボールはピン筋だったが、ショートしてグリーン手前のラフに着弾した。男性の手首に当たってファーストカットに止まった「運」もふいになった。そして、松山はラフから放ったピンまで7ヤードの第3打をキャリーでグリーンオーバー(ホームラン)させてしまった。らしくないミス、いや、プロでは考えられないミス。ギャラリーがざわつく中、松山自身も頭を抱えた。 このホールはダブルボギー。ラウンド後、記者から「(第3打の場面は)ライが悪かったのか」と問われると、松山は「ライは良かったです。気持ちが切れました」と説明した。 それでも、後半は2バーディー、1ボギーで1つスコアを戻した。最終18番パー5でも第2打を右の林に打ち込むなど、不調は明らかだった。8番だけでなく、シャッター音には随時悩まされていたが、言い訳はせずに「ここまで悪くても付いて来てくれるファンの方々もいるので、明日もミスはすると思いますが、それ以上にバーディーを獲っていきたいです」と前を向いた。残り2日。松山は「らしさ」を取り戻すべく、自分と闘っていく。
THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida