千代田国際中学元校長・日野田直彦 本は<人生のグーグルマップ>。「何になりたいか」「どう生きたいか」は読書していればいずれ見つかる
◆英会話が上達する最良の方法 たとえば英会話が上達する最良の方法は、「英語しか話せない人に恋すること」だとよく言われます。 恋をした相手のことをもっと知りたい、楽しく会話したい、好かれたいと願えば、頼まれなくても必死になります。 グローバル社会で生き抜くためとか、就職に有利だからといわれてもやる気になりませんが、「この人と友達になりたい」となれば、俄然、力が入ります。 ちなみに私は小学校の高学年をタイで過ごしたので、少し日本語が苦手でした。でも、なんとかなったのは、ゲームの『信長の野望』にハマったからです。 やたらとむずかしい名前の人が出てきて、読めないとゲームが上手くならないので、必死になって勉強しました。 目標がはっきりしていて、それが自分にとってどうしてもなしとげたいものなら、人は必死になって努力します。 もしお子さんがいらっしゃる方であれば、頭から決めつけずに子どもの可能性を広げる、好奇心の芽を摘まないことが大切です。 あれやこれやと習い事をさせたり、「しつけ」と称してどなり散らしたりしてはいけません。本人の「やりたい」という気持ちが大切なのです。
◆勉強すると人生をショートカットできる 「勉強」と聞くと、出てくるのが、教養かそれとも実学かという二項対立的な論争です。 でも私の意見を言えば、そんな論争は無意味でしょう。 そもそも、教養とは英語でリベラルアーツといわれるように「自由になるために必要な技術や学問」です。明日から仕事にすぐ使えるヒントでも、世界のビジネスエリートが知っているものでも、それを学んだことで、優越感に浸るためのものでもないはずです。 一方で、人類には「蓄積」があります。そして「勉強」をすれば、その蓄積されてきた基礎・基本を学び、いろいろな場面や段階をショートカットすることが可能になるのです。 たとえば、月と地球はどれだけ離れているでしょうか? なんの「蓄積」もないままその問いを考え始めたとするならば、一生それに没頭したとしても、おそらく答えを出すことはできないでしょう。 しかし、その答えを既に「蓄積」した人にたずねれば、距離だけでなく、なぜそうなのか、ということも含めて、知ることができます。 つまり「勉強」により、先人たちがとても長い時間をかけて見出し、受け継ぎ、付け足してきた知識を、あなた自身はさほど時間やコストをかけずに得ることができるのです。
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