年金だけで生活する高齢者は41.7%のみ。政府は年金世帯への追加給付案「思い切った検討を」
2024年度の年金支給額はいくらか
前年の調査結果では、年金だけで生活する高齢者の割合が44%だったので、減少していることがわかります。 ●年金だけで生活する高齢者世帯の割合(前年調査) ・公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%:44.0% ・公的年金・恩給の総所得に占める割合が80%~100%未満:16.5% ・公的年金・恩給の総所得に占める割合が60~80%未満:13.9% ・公的年金・恩給の総所得に占める割合が40~60%未満:13.5% ・公的年金・恩給の総所得に占める割合が20~60%未満:8.5% ・公的年金・恩給の総所得に占める割合が20%未満:3.6% では、2024年度の年金支給額はいくらになっているのでしょうか。 ●年金は2.7%の増額。老齢基礎年金の満額は6万8000円へ ・国民年金(老齢基礎年金):6万8000円(1人分) ・厚生年金:23万483円(標準的な夫婦2人分) 上記のとおり2.7%の増額改定となったものの、物価上昇率がこれを上回るため、実質的には目減りしている状況にあります。 そもそも、全ての人が上記の金額通りに受け取れるわけではありません。 国民年金の金額例は「満額で受給できる場合」の年金額なので、保険料の未納期間があると受給額はより少なくなります。反対に、繰下げ受給や付加保険料などにより、もっと金額が高い人もいるでしょう。 一方、厚生年金の金額例は「標準的な夫婦2人分」の年金額です。 「標準的な夫婦」の試算根拠は、「平均的な収入(平均標準報酬43万9000円)で40年間就業した場合に受け取り始める老齢厚生年金と2人分の国民年金年金(満額)の給付水準」とのこと。 会社員として40年間43万9000円を稼ぎ続けた夫(妻)と、一度も厚生年金に加入したことのない妻(夫)を想定しているため、共働き世帯などはあてはまらないでしょう。 次章では、実際に支給された「国民年金・厚生年金」それぞれの平均月額についても見ていきます。