森氏辞任、後任川淵氏白紙の“ドタバタ騒動”を五輪放映権持つNBCなど海外メディアは「五輪準備に影を落とす」と問題視
東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の森喜朗会長(83)が12日、理事と評議員の合同懇談会で辞任を表明、後任候補として最有力だった元日本サッカー協会会長の川淵三郎氏(84)が候補を辞退した。新会長の選任に関しては、キヤノンで会長兼社長CEOで組織委員会の名誉会長でもある御手洗冨士夫氏を委員長に候補者検討委員会を設置して、選考プロセスの透明性を確保することを決定したが、森氏の密室後継指名や、政府介入によるとされる後任人事白紙撤回など前代未聞の深刻なドタバタ劇を国際社会に再び露呈することになってしまった。最重要課題であるはずの東京五輪の開催問題が置き去りになったような騒動を海外メディアも厳しい論調で報じた。 莫大な五輪放映料をIOC(国際オリンピック委員会)に支払っているNBCは「東京五輪のトップの森氏が女性について差別的な発言をしたスキャンダルを受けて金曜日に辞任した。パンデミックが襲う五輪へ向けた準備に影を落とす恐れがある」と伝えた。 記事は「誰が(森氏の)後任かは明らかになっていない。森氏の辞任は『女性が話し好きで強い競争意識を持っている』と臨時評議員会で語ったことが報道され、国内外から激しい抗議が起きたことによるもの。非難の波を受けた83歳の森氏は、発言が不適切で五輪精神に反すると認めて謝罪し発言を撤回。彼は辞任を発表した金曜日にもう一度謝罪した」と辞任にいたる経緯を説明。 この日、森氏は辞任会見を行わなかったが、組織委員会の合同懇談会の冒頭挨拶で辞任を表明して約15分間にわたって「解釈の仕方」「多少意図的な報道があった」などと弁明した上で「女性を蔑視する気持ちは毛頭ない」などと語った。 同紙は、その中から「森氏は(女性蔑視発言は)メディアによって間違って伝えられたと感じており、彼は女性を蔑視する意識も持っていないと語った」とピックアップ。辞任表明を受けてからIOCのトーマス・バッハ会長が出した声明を以下のように紹介した。 「IOCは、森会長の辞任判断を全面的に尊重し、その理由についても理解している。IOCは安全かつ確実に東京2020五輪大会を2021年に開催できるよう、彼の後任と協力して取り組み続ける」