海外メディアは森会長辞任→後任川淵氏のニュースをどう伝えたか…「日本女性の多くが幻滅」との指摘も
東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長(83)が辞任の意向を固め、後任候補として日本サッカー協会相談役の川淵三郎氏(84)に内定していることを11日、複数のメディアが明らかにしたが、12日の正式発表を前に海外メディアも次々に「森辞任ニュース」を報じた。 ワシントンポスト紙は「女性の話が長いと語った日本の五輪(組織委員会の)会長がこの発言によって辞任すると報道」との見出しを取り日本の複数のメディアで森会長の辞任が報じられたことを伝えた。 記事は、森会長が女性蔑視発言の撤回、謝罪会見を開いた後に、当初、政府関係者や自民党幹部などが“続投”を後押ししていことを「日本の古参で保守的な男性エリートの当初の反応は(社会の)怒りに耳を貸そうとしないことだった」と紹介。「だが、日本の世論が懸念を示す限り、この問題が終わることはなかった。発言を軽視しようとする試みは、さらに怒りを引き起こした。対立政党の女性政治家たちは森氏の発言に抗議するため国会で白い服を着用した。また五輪スポンサーをリードするトヨタの会長は(森会長の)発言に対して『誠に遺憾だ』と語った」と、急転、辞任に至った背景を説明した。 また「この騒動は世論調査で日本の人々が新型コロナの感染拡大の中での五輪開催に反対の考えを示している中で起きた。五輪が前に進むことを確約するためには、組織委員会の舵取りに森氏の存在が必要とされているとの主張があった。だが、一方で彼が引き続き留まることで船を沈めるリスクが高まっていることが明白となった」と、開催の是非論が高まっている東京五輪を実現するための決断だったとの見方を示した。 加えて後任に川淵氏を選んだことについて一部から疑問の声が出ていることも紹介した。 「84歳の川淵氏は、1964年の五輪でサッカー日本代表でプレーし、今は大会の選手村の村長を務めている。だが、女性の多くは日本のエリートが、森氏の後任にさらに高齢の男性を選んだように見えることに対し、ソーシャルメディアで幻滅を示している」 森会長の女性蔑視発言を受けて、オンラインでの処遇検討を求める署名運動を「Change.org」で始めた発起人のスウェーデン在住大学院生、福田和子さんの意見をも引用。 「福田和子さんは、川淵氏を森氏の後任とする決定方法が、明らかに女性を除く典型的な排他的な方法で非公式に行われたことに困惑している」とし、新たな問題点をクローズアップしている。