マキタスポーツ「ロビンソン酒場漂流記」インタビュー「ずっと肩を温めていて“よし来た!”と」
Webマガジン「考える人」(新潮社)でレギュラー連載中の加藤ジャンプさんによるコラムを実写化した「ロビンソン酒場漂流記」(土曜午後10:00)が、BS日テレ・BS日テレ4Kで1月4日にスタートしました。 駅近の繁華街からずいぶんと離れているのに愛され続ける酒場を、孤島で生き延びたロビンソン・クルーソーに重ね合わせて「ロビンソン酒場」と称し、そのお店の秘密やそこにまつわる人々の物語を解き明かしていく同番組。「どうしてこの場所でお店を」という場所にたたずむロビンソン酒場を求めて歩いて探し、店の扉を恐る恐る開けて入っていく“さま酔い”人はマキタスポーツさん。マキタさんに、番組の魅力や“飲みの師匠”とのエピソードなどをたっぷりと語ってもらいました。
――「ロビンソン酒場漂流記」への出演が決まって企画内容を知った時のお気持ちを教えてください。 「すごく楽しみでした。いつか飲み歩き番組をと、ずっと肩を温めていたんです。『なかなかお呼びがかからないな』と思っているところで、万全の態勢ができているタイミングだったので、『よし来た!』みたいな感じでした。ありがたいと思います」 ――どんな番組になると思い描いていましたか? 「原案の『ロビンソン酒場漂流記』と同じ媒体で僕も連載をしていたんですよね。それで読んではいたので、『ああいうものでやらせていただくんだ』と。でも、『本当にさまようのだったら大変だな』という不安はありましたけど、見事にその不安が的中という…『本当に歩くんだ…』という感じでしたね(笑)。でも、非常に面白い企画に参加できると思いました」 ――実際にロケに出てみての感想をお聞かせください。 「通常の街ぶら系のロケですと、編集という技術がありまして、あたかも歩いたかのような感じでジャンプできるものなんですけれども…。『それをさせてくれないことの不安、分かりますか?』って感じですね(笑)。しかも、ディレクターが、非常にぼんやりとした情報しか与えてくれないんですよ。初回から『本当に大丈夫なのかな、このロケは?』という感じがいたしました。だんだん心細くなってくんですよね。歩いて行く道中で、本当に店がなくなって。それで、いよいよ底がついたという状態になって、その先にお店ののぼりが見えた時、『本当にたどり着けるんだ!』っていう。2回目のロケの時は郊外で、英会話教室や中古車店が途中で出てくるんです。そうなると普通はその街道沿いには飲み屋はないんですよ。それなのに、その先にまだ行こうとするという…。その時は、そぼ降る雨にも見舞われまして、『そろそろ(車に)乗せてくれないかな』と思って。初回で(スタッフさんが)僕を脅しておいて、2回目ぐらいからは雨も降ってるし、『マキタさん、ここはちょっとインチキですけど乗りますか?』と言ってくれるんじゃないかと期待していたんですけど、それもなく。本当に“酒場のピリオド”の向こう側へ連れて行かれるという経験をさせられました(笑)。でも、それがこの番組の良さなんだろうなとは思いましたけどね」 ――ロビンソン酒場に入って、お店の方やお客さんとの交流ではどのようなことを感じられましたか? 「初めて行くお店で、ファーストタッチという状態で中に入るんです。郊外のポツンとある1軒の飲み屋さんっていうのは、(お客さんが)地元の方しかいらっしゃらないんですよ。だから、完全に『ん? よそ者が来た』みたいな。非常にローカル色があるんですが、ローカル色って一口に言うといい感じですけれど、現地の方がいらっしゃるところに身一つで行く恐怖を皆さん、分かりますか(笑)? 毎回、転校生のような気持ちと言いましょうか、そんな感じですね。でも、そこからお酒の力も借りて会話の糸口を見つけて、実際にいただく料理なども非常においしいものが多いので、そこで心がちょっと和む。それで、『おいしい』と一言、わざと聞こえるように言うと、店主の方にちょっとほほ笑んでいただいたりとか、そんな感じで交流を始める瞬間が1番いいかな」