毎日コーヒーを飲むとマッチョに!? コーヒー・カフェイン摂取と筋肉量の関連が明らかに
中国の广西医科大学第一附属医院の研究グループは、「コーヒーを毎日飲む人の筋肉量は、飲まない人と比べて11~13%多いことが明らかになった」という研究結果を発表しました。この内容について松繁医師に伺いました。 【イラスト解説】コーヒーを1日2杯以上飲む高血圧患者は「心血管疾患」死亡リスク2倍 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
研究グループが発表した内容とは?
編集部: 中国の广西医科大学第一附属医院の研究グループが発表した内容について教えてください。 松繁先生: 今回紹介する研究内容は、中国の广西医科大学第一附属医院の研究グループが発表したもので、研究結果は学術誌「Frontiers in Nutrition」に掲載されています。 研究グループは、2011~2018年までの全国健康栄養調査(NHANES)から抽出した計8333人を対象に解析をおこないました。その結果、コーヒーおよびカフェイン摂取とBMI調整済み四肢骨格筋量(ASMBMI)との関連については、コーヒー、カフェイン入りコーヒー、カフェイン摂取量の全てのモデルで正の関係を示しました。また、コーヒーを毎日飲む人は、飲まない人と比べてASMBMIが11~13%高くなることも示されました。 今回得られた結果について、研究グループは「本研究では、カフェイン、コーヒー摂取量と骨格筋量との関連を検討した。全ての共変量で調整した後も、カフェインおよびコーヒー摂取量とASMBMIとの正の関連は持続した。これらの関係は、性別、年齢、人種には影響されなかったが、BMIに影響される可能性がある」とした上で、「結論として、コーヒーおよびカフェイン摂取量の増加は、骨格筋量の増加に関連していた。今回の研究は、成人における低筋肉量のリスクを減少させる上で、コーヒーおよびカフェイン含有食品の摂取が重要な価値を持つ可能性があることを強調している」と研究意義を総括しています。
コーヒー摂取と筋肉量に関するほかの研究は?
編集部: 今回の研究テーマでは、コーヒー摂取と筋肉量についての関係が調べられましたが、同様の研究は世界中でおこなわれているのでしょうか? 松繁先生: コーヒーの摂取量と筋肉量、そしてサルコペニアとの関係は近年多く研究されています。 例えば、2017年に韓国の翰林大学校の研究グループが発表した内容によると「コーヒーを1日1杯飲む男性は、飲まない男性と比べてサルコペニアが31%減少したが、1日1杯以上飲む男性や女性ではこの関連は認められなかった」という結果が示されています。また、韓国国民健康栄養調査(KNHANES)によると「サルコペニアの有病率は、コーヒーを1日1杯未満しか飲まない高齢男性は9%だが、1日3杯以上飲むと3.6%に減少した」というデータも出ています。さらに、佐賀大学の研究グループが2021年に発表した内容によると「骨格筋量を評価する重要な指標である骨格筋量指数(SMI)は、日本人の中高年においてコーヒー摂取量と正の相関がある」と報告されています。ただし、コーヒー摂取量と筋力の相関については、この研究では検討されていません。