12球団OKの163キロ右腕・佐々木朗希が「行くべき球団」と「行ってはならない球団」
ドラフトの注目右腕だった大船渡高の佐々木朗希が2日、岩手の大船渡市内で記者会見を開き、正式にプロ入りを表明、12球団OKの姿勢を示した。この日、午前中に高野連にプロ志望届を提出した佐々木は、1年の冬からプロを意識、自らの意思で決断したことを明らかにし「レベルの高いところでプレーしたい。12球団どこでも頑張りたい」と語った。複数球団の競合確実な佐々木が行くべき球団はどこなのか?運命のドラフトは10月17日だ。
日ハム、ソフトバンクが適した球団?!
163キロ右腕はどこでも行く。では、どこが指名するのか。この大器がプロで成功するために行くべき球団はどこなのか。すでに佐々木1位指名を公言しているのは日ハムだけ。U―18W杯では右手のマメの影響で1イニングしか投げられず、大学日本代表を相手にした壮行試合の先発1イニングを含めてたった2試合しか最終チェックができなかったため他球団も1位指名を発表するほどの最後の決め手には欠いた。 全力投球せずとも150キロを軽く超えてくるストレートの威力と、変化球のキレ、コントロールに非凡さを見せたが、一方で、その未完成な体力などに不安点も露呈した。 元ヤクルトの名スカウトで鳴らし今回、ヤクルトの新監督に就任した高津臣吾をも発掘した片岡宏雄氏は、佐々木が行くべきチームと、行ってはならないチームをこう区別した。 「ストレートの威力は目に留まる。リズム、テンポが気にはなるが、コントロールが荒れ四球で崩れていくタイプでもなく、行くチームさえ間違えなければ出てくるピッチャーだろう。なんやかんや言って、どれだけ凄いボールがあってもストライクが入らないと野球にならない。プロでは、ここのセンスが重要だ。だが、右手のマメの問題はさておき、プロですぐに使える体力はない。最低1年は下でじっくりプロの体作りをしなければならないし、一歩、育成方法を間違えば、肩、肘が飛んでしまう怖さがある。おそらく“うちでは手に負えない”と躊躇しているチームもあるだろう。佐々木は、12球団OKのようだが、とにかく行くチームを間違えないことだ」 片岡氏は、U-18代表としてたったの2イニングしか投げていないが、最速163キロをマークしたポテンシャルはもとより、そのコントロールを評価した。 では、片岡氏が言う「行くべきチーム」と「行ってはいけないチーム」はどこなのか。 「性格がプロ向きなのか、どうかわからない。映像で喋っているのを見る限り、東北の田舎の純粋な子という感じに見える。地方の高校出身の選手の中には、プロの水、都会の水に慣れるだけで時間がかかる選手もいる。時間がかかることも含めて、現状の投手力、育成に余裕があるチームがふさわしいだろう。逆にキャンプから首脳陣がすぐに使いたがったり、コーチがいじりたがったり、メディアの数が多く、注目、プレッシャーを浴びやすいチームは避けた方がいい。そう考えると大谷やダルビッシュを育てた実績がある日ハム、戦力に余裕があるソフトバンクがあてはまるし、逆に巨人や阪神に行けば潰れてしまう怖さがあるよ。まあそれがわかっていて巨人、阪神は指名してこないでしょうが」 片岡氏の指摘は的を射ているだろう。