【有馬記念】田原成貴×安田隆行〝特別対談〟 トウカイテイオーの背中を知る2人がグランプリを語り尽くす
今年のGI競走で最も印象に残った騎手
――出走メンバーを見ての印象は 田原 まあ、注目はね、やっぱり天皇賞、ジャパンカップを素晴らしい競馬で完勝したドウデュースでしょうけど、他のメンバーもなかなか面白いメンバーが揃ったなと思います。 安田 やっぱりドウデュースでしょうね、注目は。天皇賞、ジャパンカップを圧倒的な強さで勝ちましたし。どれか負かす馬が出てきてほしい。 田原 ドウデュースは強い。さあ、どの馬がどういうふうに負かすかなという見方になってきますよね。 安田 そうそう。それが見ものですね。 ――顔ぶれから、ペースは流れる、流れないか 安田 僕は平均ペースになると思います。 田原 もっと突っ込んで言えば、ジャパンカップみたいにドウデュースが苦しむような、あんなに遅い流れにはならないだろうと思いますね。 ――今回の騎乗予定騎手の中で、今年のGⅠ競走で最も印象に残った騎手を挙げてください 安田 僕はダービーの横山典弘ジョッキー。本当に完璧な競馬でした。 田原 一緒ですよ。あの典ちゃんの騎乗は、本当にファンタスティックでしたよ。枠順に恵まれたことはあるけど、それをちゃんと生かしてね。自分がハナを切ってもいいっていうぐらいの強気な気持ちが、攻めの姿勢が、あのポジションを取ることにつながった。だから、あれほどの完璧なレースになったんだと思うんですよね。
今年の有馬記念で乗ってみたいのは
安田 田原さんに質問なんですが、僕は中山2500戦にあまり乗った記憶はないんですけど、有馬記念で枠順って、有利、不利はありますか。 田原 馬によるんですよ。僕は15番枠(リードホーユー)から勝ってるし(トウカイ)テイオーが3枠4番で(マヤノ)トップガンが真ん中ぐらい(7枠10番)。それぞれ、内、中、ほぼ大外。 安田 やはり大外は不利ですか。 田原 不利でしょう。馬によればすごい不利ですよね。スタートからシュッと行ける馬であればそうでもないですけどね。斜めに突き切って行けば、直線的に行けるんだけど。モタつくとか、モタついた後でガンとハミを取って行く馬だと、外枠は嫌ですよね。注文がつくんですよね。内は、ちょっと出脚の遅い馬でも内回ってどこかでポジションを取ればいいとか、スタートもダッシュもいい馬だったら何も考えないでいいし、すごくアドバンテージが大きい。 ――今年の有馬記念で乗ってみたい馬は 田原 それはドウデュースでしょう。ミスなく乗ればね、うん。 安田 僕も選びたいけど、僕がドウデュースに乗ったら、おそらくビュンビュンひっかかっちゃうんで。まあ、乗りやすそうなダノンデサイルですね。 ――最後です。お二方にとって有馬記念とは 安田 夢の競演。 田原 冬の花。 ☆たばら・せいき 1959年1月15日、島根県生まれ。78年にデビューし、28勝で関西新人賞に輝く。翌79年に関西リーディングジョッキーとなり天才騎手と呼ばれる。93年の有馬記念では1年ぶりの実戦となるトウカイテイオーに騎乗して涙のV。GⅠ級通算15勝。98年2月に騎手引退、調教師に転身。2022年から本紙専属評論家として活躍中。 ☆やすだ・たかゆき 1953年3月5日生まれ。72年にJRA騎手デビュー。通算680勝。91年にはトウカイテイオーとのコンビで皐月賞とダービーを制した。調教師転身後はトランセンドやカレンチャン、ロードカナロアを育て、2019年にはリーディングトレーナー。今年3月の定年後は、本紙でJpnⅠの予想を公開中。JRA・GⅠでの調教ジャッジ動画も好評を博している。息子の安田翔伍はJRA調教師。
東スポ競馬編集部