【有馬記念】田原成貴×安田隆行〝特別対談〟 トウカイテイオーの背中を知る2人がグランプリを語り尽くす
[GⅠ有馬記念=2024年12月22日(日曜)3歳上、中山競馬場・芝内2500メートル] 今年の総決算・第69回有馬記念(22日=中山芝内2500メートル)を前にして、元天才ジョッキー・田原成貴氏(65)と、安田隆行元調教師(71)のスペシャル対談が実現した。平成を代表する名馬・トウカイテイオーの背中を知る2人は、今回のグランプリをどう見ているのか。注目する騎手は? 枠順の有利不利は? そして2人が乗ってみたい馬とは――。
有馬記念=喜怒哀楽のすべてが凝縮してる
――まずは有馬記念のイメージについて 田原 締めくくりですよね。有馬記念はやっぱり特別ですよね。ファンの熱気もね、なんかちょっと違う。有馬記念は1年の総決算で、ちょっとお祭り気分もあるんだけど、スタンドとかに哀愁が漂ってるんですよ。喜怒哀楽というか、すべてがこうギュッと凝縮してるみたいな感じで。 安田 有馬はやっぱり1年を締めくくるレースなんで。全ての総決算を表す素晴らしい競走だと思います。 ――安田先生は皐月賞、田原さんは有馬記念3勝と中山競馬場でGⅠ勝ち。コースのポイントは 安田 最後の直線の坂はすごく高低差がある。小回りで直線が短いという意識はあるけど、やっぱり最後の坂ですね。阪神よりもキツいでしょ。 田原 全然、キツいですよね。小回りコースだから、三分三厘、勝負どころでいいポジションにはいたいんだけど、それを意識して早めに動くと、坂でやっぱり止まるんですよ。そのあたりの加減が難しい。でも(位置を)取らなきゃいけない。でも、いいポジションを取ることを気にし過ぎて無理すると、坂を上がって20メートルくらいでビュッと差されるパターンとかもいっぱい見てる。ポジション取りと勝負どころで動くポイントが最後の坂で結果に出る。非常に繊細なコースです。 安田 東京の方が落ち着いて乗れますよね。 ――長距離戦で戦うために必要なポイントは 安田 まずは馬との折り合い。いかにリラックスして走らせられるか。 田原 折り合いさえうまくいけば、あとは動けるし、もう折り合いがつかなかったら、終わったと思っていいですよ。