「この1年は本当に難しかった」 感染症専門家の尾身会長が吐露
政府は2日、新型コロナウイルス対策のために出している特別措置法に基づく緊急事態宣言について、栃木県を7日で解除し、東京、大阪など10都府県を3月7日まで延長することを正式に決めた。政府のコロナ対策分科会の尾身茂会長は同日、記者会見し、新型コロナの国内での流行から1年が経ったことに触れ「本当に多くのみなさんにとって、日本に住む人すべてだと思うが、犠牲や痛みを伴う1年だったと思う」と話した。
尾身会長は世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局長などを歴任した感染症対策の専門家。「私自身も実は、昔から、こういう者として、ポリオの根絶、SARS(重症急性呼吸器症候群)に対する闘い、日本に帰ってきてからは、新型インフルエンザ、あるいは東京中心にあったデング熱。そういうことに直接こういう立場で関与させていただいたが、私自身も振り返って、この1年は本当に難しい1年だったと思う」とも語った。 「ただ」と尾身会長。「いまこうやって1つの県が解除されて、少し出口が見えてきた。医療への負担がまだまだ厳しいからなんとかしないといけないが、少しずつ出口が見えてきたので、もうしばらく、みんなが心を1つにして、この難局を乗り越えればいいかなと思っている」と述べた。