【40代、50代は血糖値に要注意①】 血糖値の乱高下がイライラ、だるさ、眠りが浅い…さまざまな不調を招いている!
血糖値を見える化したら、「なぜ?」「どうして?」の疑問だらけ!
今回、血糖値モニターとなった6名は50代が中心。いたって健康と思っている人、病院で血糖値が上がりやすいと指摘されたことのある人、健康のためにずっと低糖質の食事を心がけている人…、と状況はバラバラだ。 そして始まったモニタリング。まずは、ある一日の血糖値の変動グラフをお見せしよう。グラフ内のグリーンのエリアが、血糖値の正常範囲といわれる70~140mg/dLだ。全員のグラフの形がここまで違うことに驚かないだろうか?
血糖値の変動パターンにはこんなに個人差があった! 血糖値を測定する際、どこに注目して見たらいいのだろうか? 「健康診断や人間ドックの血液検査に“空腹時血糖値”という項目があります。たいてい100 mg/dLを超えなければ基準値内といわれますが、それで本当に血糖値が正常かどうかは実はわかりません。血糖値は一日中変化していて、健康な人でも空腹時には低くなり、食後に高めになります。空腹時血糖値でわかるのは、あくまで空腹の時点の血糖値。たぶん一日の最低血糖値ですね。 日本糖尿病学会の指標では、血糖値の正常範囲は70~140mg/dL。測定した血糖値が、ずっとこの範囲に収まっていれば、何も問題ありません。でもきっと、食べた物や食べるタイミングによって、これを超えることはおおいにあるはず。いつ何を食べたらどう変動するのか、そこに注目してもらえたらけっこう面白いと思いますよ。自分の血糖値の動きを見てみることは、健康な体づくりの一助になると思います」
【教えてくれたのは】 山村 聡さん 糖尿病内科医。九州大学医学部卒業。東京ミッドタウンクリニックで診療するかたわら、糖尿病啓発・予防のため血糖値に関するSNS発信を行っている。豊富な診療経験をもとに、一人一人のライフスタイルに合わせた血糖値改善、ダイエットプログラムの開発にかかわるなど予防と医療の架け橋として活動中。自らの体を実験台にしてさまざまな食材の血糖値を測定するYouTubeチャンネル「やさしい内科医のY's TV」が人気。登録者数は7万人超。 取材・原文/蓮見則子