息子の「中学受験準備」で家計が破綻…生活レベルを落としても、プライドを優先した「専業主婦の末路」
令和に入り、子どもの教育をめぐる状況が大きく変化しつつある。 かつて「お受験」や「教育ママ」と呼ばれた平成の時代は、受験=高校、大学という家庭が色濃かったが、現在、子どもの受験は身近になり、<首都圏の場合、2023年の入試では5人にひとりが中学受験をし、東京の11の区では私立中学校への進学率が3割を超えている>と子育てにまつわる記事を扱うwebサイトの『コクリコ』で伝えられた。 【写真】母親をバラバラ死体にした「医学部9浪」の娘が告白「私が母を解体した理由」 同メディアによれば、近年の傾向では学歴至上主義ばかりではなく、子どもの個性に合う・伸ばしてくれる学校への進学を求めるケースも多く、かつては将来の大学入試も見据えての「御三家」狙いのためだけではない、新たな視野も生まれているようだ。 都内に住むサエさん(仮名・40代)も、子どもの教育に力を入れている専業主婦だ。夫の年収は1000万円、小学2年生の息子と幼稚園に通う娘と4人で暮らしている。子どもには教養を身につけさせたいと、第一子である息子を出産してから小学校に入学する間に、教育費の200万円をコツコツ貯金してきた。 当初は塾は4年生から通わせるつもりでいたサエさんだったが、「40代の専業主婦が絶句…小2の息子の「中学受験」準備をはじめたら「地獄」が待っていた!」でお伝えした通り、息子と同じ学年の子どもや、ママ友たちの教育に対する感覚に触れ、焦りを感じた結果、金銭的にひっ迫する状況に陥っていく。
塾代に「月10万円」の現実
中学受験の4大塾と言われる「日能研」「四谷大塚」「SAPIX」「早稲田アカデミー」の塾代は3年間で約210~260万円(2023年)、サエさんが当初貯めた金額からは足が出てしまうが、子どもが小学校に入学してから受験にとりかかる4年生にあがるまでの間に数十万円は貯められる金額だ。 ママ友たちから自分だけおいていかれている気分になったと話すサエさん。周りにどんどん差を付けられていると焦りばかりが募り、夫にその状況を話して複数の学習塾の説明会を予約した。しかし、説明会へ参加したりパンフレットを読めば読むほど、手持ちの200万円ではまったく足りないことが分かってきた。 英語教室と中学受験対策の塾の2つだけでも月5万円以上はかかり、さらに高学年になれば月謝が上がる可能性もある。 学習フォローの学習塾も追加したら月10万円以上は覚悟しなくてはならず、このペースだと中学受験をするまでに単純計算でも800万円ちかくのお金がかかる現実を知った。 「まだ下の娘は幼稚園ですが、ふたり合わせて今後月20万円近い月謝がかかることもあるかもしれないと想像したら苦しくなりました。 でも、子どもの数が理由で通わせることを躊躇ってしまうのは親として良くないと思うんです。幸い貯金もありますし、夫の年収は1000万円を超えています。諦めるのではなく、できるだけのことをしてあげたい。そう思っていま2つの塾に通わせているんですが、入ったら入ったでなかなかうまく行ってなくて」 大人気の英語教室には入会できなかったものの、運よく空きがあった第二候補の英語塾とクラスメイトのいる学習塾に通わせているという。その入塾の時に受けたテストの成績はかんばしいものではなかった。 「学習塾は下から数えて1つ上のクラス、英語塾は家庭で少し触れた程度だったので一番下のクラスからのスタートでした。英語塾は仕方がないと思うのですが、学習塾のクラス分けはショックが大きかったです。それにクラスメイトは息子より上のクラスでした。 4か月に1度ほどクラス替えが行われ、順位をアップさせようと私も必死で勉強を教えていますが、説明の仕方が上手くいかなくて子どもが混乱してしまうこともあって困っています。 毎日勉強に付き合わなくてはいけないので、家事をする時間もゆっくりする時間もなくなりました」