"机叩き"大炎上市長だけじゃない!斎藤元彦「再選反対」22人中4人が「無投票」当選…地方政治家なり手不足の深刻
兵庫県知事選で、再選した斎藤元彦氏(47)。当初はリードしながら14万票差で敗れた元尼崎市長の稲村和美氏(52)の失速に影響したとみられるのが、稲村氏を支持した県内29市長でつくる「市長会」の有志22人の会見だろう。投開票3日前のタイミングの悪さに加えて、同県相生市長の谷口芳紀氏(75)は、斎藤知事に対し「悪いやつを兵庫県から追い出して新しい風を入れる人が誰や言うたら、稲村や!」と語って、バンと机を叩いた動画がパワハラだと話題になった。 【写真】「何が悪い!」"机叩き"大炎上の相生市長・谷口芳紀氏のプロフィール(公式HPより) 「市長会」の有志は稲村氏への"援護射撃"のはずだっただろうが、有権者には、市町村長との繋がりや「既得権益」を疑われる結果になった。もうひとつ、注目を集めたのは彼らの経歴だ。 当選7回の谷口氏は、2000年に相生市長選に出馬し初当選し、以降は6回連続無投票再選。24年5月12日に告示された市長選挙では、ほかの候補者が告示日に急遽立候補を取り止めている。そんな対抗馬もなく、長年無投票で市長の職に就きながら、"机を叩く"上から目線の態度に反感を持たれたのだ。 22市長では他に、当選2回の赤穂市長の牟礼正稔氏(70)が23年の市長選挙で無投票再選。また当選3回の穴粟市長の福元晶三氏(71)は21年の3選目で無投票当選した。 さらに当選2回の南あわじ市長の守本憲弘氏(63)は、2期連続無投票当選している。3期目の選挙は来年1月19日告示、26日投開票となるが、今回は同県知事選に出馬した「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏(57)が、出馬意向を表明している。 「今回の22市長の行動は『公職選挙法違反』には当たりませんが、道義的責任の有無をめぐって世間を騒がせました。南あわじ市長選をはじめ、いくつかの市は今年選挙を迎えることもあり、立花氏が稲村氏応援市長には対抗馬を擁立する意向を示しています。SNSの影響もあって、最近は全国の市町村の議会の様子も切り取り動画などで出回っています。地方政治家のなり手不足や無投票で当選し同じ人物が何年も何十年も首長を務めることで権力をもってしまうことへの危険性が改めて注目されています」(地方紙政治部記者) 総務省によれば19年の統一地方選における無投票当選者割合が、都道府県議会議員選挙で26.9%、指定都市議会議員選挙で3.4%、市議会議員選挙で2.7%、町村議会議員選挙で23.3%という。首長に限っても、23年の統一地方選の無投票当選の市区長は、東京都中央区長を含む26人に上った。 都心でも首長すら無投票当選しているのが現状だ。来年は東京都議会議員選挙も控える。立花氏や前安芸高田市長の石丸伸二氏などによる「政治のエンタメ化」で地方政治家改革ブームが来ているが、流れは変わるだろうか……。 ◇ ◇ ◇ 再選後の就任式を終えた斎藤知事はうまくやれる? 関連記事【もっと読む】斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々…も要チェック。