息子の「中学受験準備」で家計が破綻…生活レベルを落としても、プライドを優先した「専業主婦の末路」
無気力な息子に不安がつのる
マンション内で同じ塾に通わせているママ友とは、クラス分けテストや学習内容について話す機会が増え、中学受験に関する情報交換も盛んだそうだ。そのママ友との会話では『一番下のクラスになったら終わりよ。御三家なんかムリ』と必ずといっていいほど出るという。 「ですがそのママ友の子どもは、息子より1つ上のクラスなんです。だから私にやっかまれないように合わせているんでしょう。見下されているのかもしれませんが、中学受験事情に精通していて情報交換で助かることも多くて。いまここで諦めたらその仲間にも入れてもらえなくなるし、陰でバカにされて、笑われる……」 話を聞けば聞くほど、サエさんが世間体を気にして子どもの習い事にしがみついているような印象を受けた。本人もそれには気づいているものの、考え方を変えることはできないそうだ。 「最近の無気力な息子を見ていると心配になることがあります。もしこの先勉強が上手くいっても高学歴ニートになっちゃうんじゃないかって……。そしたら周りからコソコソ笑われそうで怖いです。 ゲームやSNSに興味を持っているようですが、ニート予備軍になってしまうかもしれないので制限しています」 直近の目標は次回のクラス分けで1つ上のクラスになることだそうだ。サエさん自身も勉強を教えられるよう日々学んでいるとのことだった。 年収1000万円を超える世帯はゆとりがあるとされているが、今回のサエさんのケースのように早い段階から習い事に高額な費用を費やしてしまうと破綻する可能性も十分にある。 サエさんの夫は教育にかけるお金を見直すことを提案しているものの、周囲からの見え方を気にしてしまう妻により後回しにされている印象を受けた。 少子化に伴い、一人当たりにかける教育費は年々増加傾向にある。学習塾の月謝も私が学生時代であった20年前とは倍近く高くなっている。口コミや実績だけで判断せず、自分の子どもにとって本当に必要なのかを考えてほしい。 …つづく<嫌がる息子を「小学校受験で合格」させたら、さらなる「地獄」が待っていた…家庭は崩壊寸前、もう手が付けられない>
吉田 みく(ライター)