“スピード”にヤミツキ! 〈ベントレー〉コンチネンタルGTスピード
いやはや、参りました! エレガンス薫る仕上がりにまとめつつも、あくまでもパフォーマンスはハイエンドそのもの。W12気筒エンジンへの未練をきっぱりと断ち切り、新しいパワートレーンで目の覚めるような新世界を切り開いた、そのテクノロジーと挑戦に深く感服してしまった。過去に引っ張られるこちらの気持ちをさらりと飛び越え、〈ベントレー〉から第4世代となるコンチネンタルGTが登場したのは6月のこと。先日、ザ・マガリガワクラブにて日本にも初上陸を果たしたトップグレード、コンチネンタルGTスピードに試乗が叶った。
まず、この4世代目のコンチネンタルGT及びフライングスパーには、4.0ℓ V8エンジンに190PSの電気モーターを組み合わせた“ウルトラ パフォーマンス ハイブリッド”、つまりプラグインハイブリッドシステムが搭載される。すでにベンテイガでプラグインハイブリッドのラインナップを持つ同社だけれど、今回のウルトラ パフォーマンス ハイブリッドは完全新設計で、最高出力782PS、最大トルク1000Nm、0-100㎞/h加速3.2秒という、垂涎のスペックを誇ってしまう。でありながら、電気のみの航続距離は81kmと、普段使いには十分という横顔も併せ持つからぬかりない。 さらにこのパフォーマンスを受け止めるべく、シャシーも刷新。新設計の2チャンバーエアスプリングとデュアルバルブダンパーを組み合わせ、さらに48Vのアクティブアンチロールコントロール、eLSD、トルクベクタリングまでを搭載して、これがもう、悶絶モノのフラットな乗り心地を誇るから堪らない。
オールニューな刷新に合わせて、〈ベントレー〉はアイコンであった片側2灯の丸型ヘッドライトを、なんと1950年以降ではじめて、シングルライトに変更したのもチャレンジングだ。真ん中にはスッと直線が貫かれていて、デザイナーはそれを“アイブロウ”と呼んでいたけれど、まさに眉のような表情を持った新しいフロントデザインは、実にミニマルでイマっぽい。グリル周辺が継ぎ目のないひとつの大きなバンパーになったのも、なんとも贅沢だ。 インテリアもデジタライズされ、最新世代のインターフェースに。しかし、3代目にも採用されていたように、そのモニターをくるりと裏返し“デジタルデトックス”することも可能なところは、オールドユーザーをも大いに喜ばせそうだ。