観光客少なめ、新緑の京都は観光に最適 緑萌ゆる、おすすめスポット5選
桜の季節もそろそろ終わりを告げますが、京都が本当に美しいのは新緑の季節です。桜のシーズン、あれほど多かった観光客もグッと減り、静かに落ち着いた雰囲気の中で美しい緑を楽しむことができるからです。京都の冬は寒いですが、それだけに暖かくなり始める4月の終わりから5月にかけては街中に生命力のみなぎる新緑の美しさと暖かさを実感することができます。 これは当たり前といえば当たり前なのですが、紅葉の名所の多くは新緑の名所でもあります。新緑の頃の青もみじは、しっとりと落ち着いた秋とはまた違った表情を見せてくれます。晩秋の紅葉見物とは逆の季節にそうしたお寺の数々を訪ね歩くのも楽しいものです。そこで今回は私が気に入っている新緑の京都のスポットをいくつかご紹介しましょう。
実相院 秋には「床もみじ」、春には「床みどり」
ここは、京都の北、岩倉にある天台宗の単立寺院で門跡寺院(住職を天皇家の血を引く方々が務められていた格式の高い寺院のこと)です。狩野派の絵師たちが描いた襖絵などもたくさんあり、なかなか見どころの多いお寺なのですが、なんと言ってもここで有名なのが「床もみじ」です。このお寺の「滝の間」にある、磨き抜かれて黒光りする床に庭のもみじが映り込み、まるで床一面にもみじが拡がったような美しさを味わうことができます。同様に新緑の季節は庭の緑が同じ床に映り込んで赤いもみじとは正反対の緑の床が広がります。これを「床みどり」と言います。このお寺はかなり有名なので、そこそこ観光客も多いですが、やはり新緑のときは紅葉に比べるとあまり多くないようですので、おススメです。 【実相院】左京区岩倉上蔵町121
高桐院 細川ガラシャのお墓がある、ハッとする光景に出合える
大徳寺の塔頭(たっちゅう)の一つである高桐院は細川忠興(三斎)と妻・ガラシャのお墓があることでも知られたお寺です。ほかにも千利休の瑕疵灯篭とか細川三斎の作った茶室、「松向軒」など、とても趣きのあるお寺ですが、ここの門をくぐって右に曲がると、本堂に向かう石畳の道があります。この眺めが実に素晴らしい佇まいなのです。 ここも紅葉の季節と対比することでそのコントラストがはっきりしますが、もみじと同じようにみどりの美しさはまた格別です。何度行っても門を入って曲がった時の息を飲むような光景にはハッとさせられます。大徳寺はそれほど有名な観光寺院というわけではありませんが、ここは訪れる価値があると思います。 【高桐院】北区紫野大徳寺町73-1