観光客少なめ、新緑の京都は観光に最適 緑萌ゆる、おすすめスポット5選
東福寺 紅葉時期は大混雑、新緑の季節なら余裕を持って楽しめる
東福寺と言えば、京都でも屈指の紅葉の名所です。寺内にある通天橋の周りは紅葉の季節になると素晴らしい美しさですが、それ以上に人も多く、大混雑の中を歩き回ることになるので、のんびりと楽しむことはなかなか困難です。 ところがこの季節に訪れると本当に人が少なくてゆっくり楽しむことができます。東福寺が素晴らしいのは俗に「伽藍面」と言われる堂宇の壮大さ、そして圧倒的なもみじのボリュームです。それだけにみどりの多さにも圧倒されます。暖かい日差しを受けながら、観光客の少ない境内を散策するのも新緑の季節の大きな楽しみといえるのではないでしょうか。 【東福寺】東山区本町15丁目778
三室戸寺 あじさいが有名だけどつつじとシャクナゲも見事
ここは京都市の南、宇治市にある本山修験宗のお寺で、西国観音霊場十番の札所でもあります。場所的には少し不便なところにあり、最寄りの京阪電鉄三室戸駅からだと徒歩で15~20分ぐらいかかります。このお寺は広大な庭に四季折々の花が咲いていて別名「花の寺」とも言われています。特に4月下旬から5月上旬にかけてのつつじは圧巻です。 また、境内の奥にある三重塔も緑に囲まれる中に浮かび上がって実に風情があります。建物と自然が調和する京都の美しさの典型と言っても良いでしょう。もう少し後の時期になるとアジサイも美しいのですが、やはり私はこれからのつつじとシャクナゲの方が見ごたえがあるような気がしています。多少の不便さはあってもぜひ訪れることをおススメします。 【三室戸寺】宇治市莵道滋賀谷21
祇王寺 平家物語に登場する白拍子・祇王が出家した寺
ここは奥嵯峨にあるお寺です。平家物語に出てくる白拍子・祇王が清盛の心変わりによって追われるように都を離れ、出家した悲恋の尼寺です。先ほどの東福寺や三室戸寺とは違い、それほど大きくないお寺ですが、非常に濃密な緑の空気が漂っているという表現がぴったりします。苔の庭も緑のじゅうたんのような広がりを見せ、多くはありませんが竹林も見えます。ここで深呼吸すると体の中が浄化されるような気分になります。草庵に安置された祇王、祇女、刀自、仏御前などの彫像をご覧になった後に庭をゆっくり散策されるのが良いのではないでしょうか。 【祇王寺】右京区嵯峨鳥居本小坂町32 ここに紹介したところ以外にも、とても紹介しきれないぐらい素晴らしい緑のスポットはたくさんあります。前にも書きましたが、とにかく観光客の多い4月初めと11月の終わりを避けると、こんなに素敵な風景に出会うことができるのです。京都=桜と紅葉というステレオタイプな発想を捨てて、新しい京都の魅力を探す旅に出かけられてはいかがでしょうか。きっと京都のことがもっと好きになるに違いありません。 (経済コラムニスト・大江英樹)