【睡眠のウソ・ホント】日本人の大半は"酔っ払い状態"の脳で仕事をしている!?「やらないよりはいい」正しい寝だめの方法 睡眠学の世界的権威・柳沢教授に聞く『理想の睡眠』
「やらないよりはいい」正しい寝だめの方法とは?
平日の睡眠不足を解消するために、週末に寝だめをする人は多いのではないでしょうか?効果については疑問を持つ人も少なくありませんが、柳沢教授は、寝だめは「貯め」ではなく睡眠負債の「返済」だとし、「普段眠れていないのなら、やらないよりはやった方がいい」といいます。 しかし、実際には「寝だめ」をしても週明けにぐったりと感じる経験をした人もいるのではないでしょうか?柳沢教授に正しい寝だめの方法を聞きました。 ポイントは「睡眠中央時刻」を維持すること。例えば、平日に午前0時に寝て午前6時に起きる人の睡眠中央時刻は午前3時です。週末に寝だめをする際、午前0時に寝て午前10時に起きると、睡眠中央時刻が午前5時にずれてしまいます。これが「社会的時差ボケ」を引き起こし、月曜日の朝がつらくなる原因となります。 正しい寝だめの方法は、睡眠中央時刻を維持しつつ、睡眠時間を延ばすことだそう。具体的には、普段より早く寝て、普段より遅く起きるのがポイントです。例えば、午後10時に寝て午前8時に起きれば、睡眠中央時刻は午前3時のまま維持できます。 この方法を実践することで、体への負担を軽減しつつ、睡眠負債を返済することがでるといいます。柳沢教授は「1時間でも2時間でも、できるだけ普段の睡眠リズムに近づける」ことが大切だとしています。
ショートスリーパーの99%は無理をしている!?
「自分はショートスリーパーだから、睡眠時間は短くても大丈夫」と考えている人もいるかもしれません。しかし、柳沢教授は、真のショートスリーパーは極めて稀で、「自称する人の99%は、実際には無理をしているだけ」と指摘しています。多くの人が「自分は短時間睡眠で大丈夫」と思い込み、実際には体に大きな負担がかかっているといいます。 では、なぜ多くの人がショートスリーパーを自称してしまうのでしょうか?それは、“無意識のうち”に睡眠不足に陥っているからです。現在は問題ないように感じても、実はもっと睡眠時間を確保することで、より高いパフォーマンスが期待できる可能性があるといいます。さらに、ショートスリーパーは長期的に見ると体にさらに大きな問題が生じる可能性もあるそうです。 昼寝についても意外な見解が。柳沢教授によると、十分な夜間睡眠を取っていれば、基本的に昼寝は必要ないとのことです。日中に極端な眠気を感じるのは、夜間の睡眠が不十分である可能性があるということです。 そして、柳沢教授は「睡眠の質」の重要性も強調しています。レム睡眠とノンレム睡眠はどちらも非常に重要で、両方をバランスよく取ることが健康的な睡眠につながるといいます。