【NBA Rakuten解説者インタビュー】大西玲央さん 「河村選手はプレシーズンで多くのことを証明した」
2024-25シーズンの開幕を記念して、NBA Japanシニアエディターであり、「NBA Rakuten」の解説でもお馴染みの大西玲央さんにインタビュー。河村勇輝や大西さんが注目するチーム、選手について語ってもらった。※インタビューは10月24日のユタ・ジャズ対メンフィス・グリズリーズ戦の解説後に実施。
河村選手はいい意味での驚きが大きい
――今季からNBAに挑戦している河村勇輝(グリズリーズ)、プレシーズンでの活躍が目立ちました。 大西: プレシーズンは1、2試合くらい出られればいいのかなって思っていたら、最終的にはずっと出場していました。凄い選手だし、NBAでも十分できるというのは分かっていたんですけど、いい意味での驚きが大きいです。ジャ・モラントの怪我などもあったとはいえ、その中で起用され続けたのは河村選手が実力で勝ち取ったもの。2ウェイ契約も手にして、本当に素晴らしいです。 ――プレイを観た印象は? 大西:今季のグリズリーズは、みんなでしっかりパスを回していくっていう全員バスケのスタイル。そのため河村選手もパスファーストっていう感じになっているのかなと思いましたが、一方でシュートを狙うべきところではしっかり打っていました。FIBAワールドカップやオリンピックでは、1対1からのステップバックで3ポイントを決めていますからね。そうしたシーンもいずれNBAで観られると思います。 あとはシュートをどれぐらい決められるか。プレシーズンでは珍しくエアボールもありましたけど、選手のサイズやクローズアウトの詰められ方など、いろいろ測っていたんじゃないかと思うんです。これだけ高いならこの角度で打たないとな、とかそういう所を見極めながらやっていたと思うので、慣れてくればどんどんシュートが入るはずです。 ――今日行なわれた開幕戦、ベンチ入りも果たして日本人4人目のNBA公式戦デビューが期待されましたが、出場はならずでした。 大西:中継でも話したのですが、単純な序列じゃないんです。PGのポジションだけ見るとモラント、スコッティ・ピッペンJr.、そして3番手が河村選手なのですが、グリズリーズのスタイルだとみんなパスを回すので絶対的なPGが必ずしも必要ではないんです。マーカス・スマートやルーク・ケナードなどもボールを運べるし。なのでピッペンJr.が不調でも自動的に出番が回ってくるわけではない。ただ、河村選手はプレシーズンで多くのことを証明してきたので、状況がかみ合えばプレイタイムを与えられるはずです。 ――Gリーグでは個人プレイに走ってしまう選手も少なくないです。 大西:一度パスを出すとボールが戻ってこないというのを、Gリーグではいっぱい見てきました。ただグリズリーズではそうしたことはなかったし、Gリーグのハッスルでも同じシステムがしっかり踏襲されていれば河村選手の良さが生きる場面は多くあると思います。Gリーグで実戦を積むことはとても大事になりそうですね。