「ここでおにぎり?」吊り革で絶句。満員電車でフツーに朝食を食べ始めた女性。デザートまで完食のヤバすぎる行動。大人として注意をすべき?
世の常識は変化する。20年前、すべての人がスマホを手にする世が来ると想像した人はいなかっただろう。危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。 「常識、マナーなどは時代に合わせて変化するものです。一方で世代を超えてなお、引き継がれる美学のようなものもありますよね。ただ今の世の中そういったものを押し付けることもハラスメントなどと言われてしまうのかもしれませんが」。 生きづらい世の中だ。 「いろんなもののスピード感が上がっていることは事実。マナー違反も直接注意するよりSNSでアップする人もいます。それが袋叩きになることも日常です。改めて気をつけたいと感じますね」。 今回はそんな大人のマナー違反を目撃したある男性の話だ。 ---------------------------------------------------------------------
田川謙也さん(仮名・49歳)は、毎朝都心に向かう満員電車に乗車している。途中駅のため座れる可能性はほぼゼロ。吊り革につかまり、痴漢の疑いをかけられぬよう細心の注意を払っているそう。 「SNSでもよく見るじゃないですか。痴漢の犯人の動画撮っているのとか。でもそんなつもりがなくても手が触れてしまう危険性がありますよね、日本の満員電車って。だから毎日とにかく気をつけています。できる限り、女性の少ない車両を選びたい…そんなふうに思うことも多いです」。 確かに冤罪だとしても疑いをかけられただけでかなりのダメージになりうる。 「実際、同僚があらぬ疑いをかけられたことがあるんです。事実はどうあれ、疑いをかけられた時点でもしかして…そんな気持ちが生まれますよね。それ以来、彼は会社で特に女性社員からちょっと距離を取られています。かわいそうですけど、女性側の気持ちも理解できなくはありません」。 そんな毎朝の通勤電車で謙也さんはさまざまな事件や風景を目撃してきた。先日出会ったのはあまりにもマナーのない行為で、注意をするか否か散々悩んだそう。 「いつも通りの電車にのったときのことでした。うまく滑り込んで吊り革に掴まれる位置に乗車しました。リュック通勤なので両手は吊り革。痴漢の冤罪は回避できるとホッと胸を撫で下ろしていたときのことです」、 目の前に座った女性が何やら袋を漁りだしたそう。
「持っていたのは大手コンビニチェーンの袋。お昼ご飯かな?と思ったんですが次の瞬間度肝を抜かれることに」。 おもむろに袋からおにぎりを出して ーいただきます。 いきなりそれを食べ始めたそう。 「いやいや、いただきますってここ満員電車ですよ?おにぎりの袋を破って美味しそうに食べていて本当に驚きました。本人は耳にイヤホンをしていて、周りからの視線にはまるで気がついていないよう…」。 年齢は30代。通勤と思われるファッションだったそうだ。 【後編】ではさらなる奇行とそれに対する周りの大人の反応について深ぼって話を聞いていく。 取材・文/橋本 千紗