大阪府・吉村知事が定例会見10月7日(全文1)東京を代替できる副首都目指す
従来の成長戦略を上回る目標の有無は
司会:次のご質問をお願いいたします。ほかにご質問ある方、どうぞ。 日刊工業新聞:日刊工業新聞の大川です。都構想後の成長戦略について何度もお聞きして申し訳ないんですけれども、府市として2010年に出された成長戦略というのがあると思います、2018年に改定されているんですが、こちらで実質成長率年平均2%ですとか、雇用創出年平均1万人などの数値目標を掲げていまして、都構想としてこれを上回るような数値目標があるのかないのか、その辺りを教えてください。 吉村:これは府市一体の成長戦略で、これは更新していくものですから、これは新たな戦略も今、内部で検討を進めているところです。都構想が実現するとなれば、これは当然府市一体で成長戦略をさらに今まで以上に目指していく、制度的にそういった組織になるわけですから、制度的に組織になったときにどういったものを目指していくのかというのも、これは当然その時期が来れば更新して、新たな成長戦略、新たな成長戦略というのをつくっていくことになると思います。 大事なのは、その成長戦略をつくっても実行する組織がないと夢物語で終わります。それがこれまでの行政でよくあったパターンなんですけども、これからは、もし都構想が成功すれば、府が成長戦略、市が成長戦略、ばらばらにつくるということはもうなくなりますから、そういった意味ではこの大阪の全体、都心を中心とした、あるいは都市戦略、成長戦略というのは、より具体的で、そして実効性のあるものがその組織において立案され、実行されていくものになるというふうに思います。
都構想が実現しなければ夢物語に終わるのか
ですので、今は府市が成長戦略をつくってるのが当たり前みたいになっているんですけど、これは全然当たり前ではなくて、橋下さんと松井知事の、当時の下で初めてつくられて、この10年間実績したら、やっぱり特に都心部、大阪市内の都心部への投資というのはかなり増えてきているという状況です。大阪の都心部が成長すればその周辺も成長するわけですし、雇用が増えればその周辺市から大阪市域に仕事をしている方も非常に多いわけですから、そういった意味で大阪の全体成長を図るという意味では、都心への投資というのが最も効果的なんていうのは、これはもう分かりきったことなので、そこの目指すべき投資とかまちづくりというのは、より大阪全体を見据えた上でのまちづくり、都心を中心に成長戦略を実行していくというのが、具体化していくだろうというふうに思います。 今はまだ仕掛け中、仕掛かり中のやつもたくさんありますから、それを継続しながら、特にこのコロナ禍での成長戦略というのを練っていっていますけど、都構想になればそれは新しい大阪都の下で、今度作った計画の満了期間が近づけば、新しい成長戦略が描かれて、実行していく。そしてそれはそのときだけではなくて、もう制度として確立していますから、その後20年、30年、50年、100年、ずっと二重行政なしに、そういった成長戦略が描ける組織がつくられるというふうに思います。 だからやっぱり実行する制度、組織の問題と、政策っていうのはちょっと分けて考えなきゃいけないと思ってて、成長戦略、夢物語を語るのは誰でも語れますし、そんなことはコメンテーターだったり評論家でもできるわけですけど、大事なのはやっぱりそれをちゃんと描いて実行すること。そしてその組織だと思うので、それを今、大阪では府市ばらばらだから、一体した組織をつくりましょうと、そういうことです。今つくってる大阪の成長戦略は確か期限が来るというふうに思いますから、今は新しいものについては策定途中ということです。これは府市一体で今、進めています。 日刊工業新聞:今出されている成長戦略に関しては、都構想が実現しなければ夢物語に終わってしまうというような内容ということでしょうか。 吉村:今はバーチャル都構想でなんとか進めているので、これはやっぱり実行していきたいとは思っています。ただ、これは都構想でなく、想像してもらったら分かると思いますけど、もし先の知事・市長選挙で僕と柳本さんになってたら実現できなかったことがたくさんあると思います。 【書き起こし】大阪府・吉村知事が定例会見10月7日 全文2に続く